人間様に切り刻まれるか ページ35
｢君の罪じゃないじゃないか｣
｢私のだよ。これは私の罪｣
｢…だから、殺されても仕方がないって？｣
｢いやだけどね〜｣
お嬢様が今まで死を恐れず行動していたのは…
以前の、神からの伝言がまさに答えだったのか
｢私の夢は叶わないまま、死んじゃうかもしれないけど…神さまのせいで、いつか誰かに殺されるかもだけど…私は生きたい｣
｢…｣
｢逆だったらな、よかったんだけど…｣
｢何の話だい？｣
｢ん〜ん、何でもない♪｣
ステーキにゆっくりナイフを当てては、ぼんやりその肉を眺めていた
｢私も英智くんも、今日死ぬかもしれない。何なら今死ぬかもしれないね〜。考えたらきりがないけど｣
｢それはそうだね｣
｢なら今死んでも、産まれてきてよかったって…私の人生に悔いは無い！やることやった！って思えるようにしたいよね〜♪｣
｢そんなことを常に頭に入れるのは、そういう体験をしなければ難しいと思うけれど｣
肉をフォークに刺しながら、お嬢様は笑顔で言い放った
完璧なまでの動作と言葉だ
｢私は今目の前で体験してるよ。いつ人間様に切り刻まれるか、ミンチにされて焼かれないか…ひやひやしてる♪｣
｢ふふっ。想像力が豊かだね｣
｢うん！人間様を怒らせたら、こうなるんだろうな〜って思ってるよ〜♪｣
…ん？天祥院くんがナイフとフォークを置いた
｢それは僕に対しての皮肉かい？｣
｢ん〜？なにが？｣
｢ねぇAちゃん。君は一体、何を見てきたんだい？｣
｢う〜ん…色々かな〜♪｣
｢なるほど。僕には耐えられそうにない光景だな…♪｣
見てきたのか
お嬢様は、そんなものを一体どこで…？
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
