最初で最後の遊び ページ31
｢プライベートで遊んだの初めてだけど、びっくりするぐらい普通に楽しかったねぇ｣
｢…ん？なんでびっくり？｣
｢Aさんと遊んだらもっと疲れると思ってた…♪｣
｢ひどくない！？｣
確かに、お嬢様は意外とインドア派だしな
凛月くんのような物静かな子の方がお嬢様も気が楽だろう
｢凛月くんありがとう！服大事にするよ〜♪｣
｢こっちこそありがとう。白いズボンまで買ってもらっちゃったし、汚さないようにするね｣
｢うん！私には恐れ多いほど可愛い服買ってもらったから、今日からダイエットするよ！｣
｢受験控えてるの忘れてない？｣
完全に朝のことを忘れてたお嬢様は、一瞬で現実に引き戻されていた
｢ふぁ、あふ…｣
｢え？凛月くんが夜に欠伸するのめずらし〜…ふわぁ｣
｢今日は朝から会ってたしねぇ。時差ボケもあるけど、一応夜に寝る練習も最近してるから｣
お嬢様にプライベートで誘われて嬉しかったのも有りそうだな
これが二人にとって、最初で最後の遊びか…
｢…ねぇ。Aさんって休日は何してるの？｣
｢私？ん〜…家でごろごろしたり、ゲームしたり、昼寝とか？｣
｢それ全部家だよね｣
｢えへへ♪あとはバイト行ったり一人でふらふらしてるかな〜｣
何故か彼はほっと胸を撫で下ろしていた
｢なんだ。Aさんの事だから、色々仕事を請け負ったりしてて多忙なのかと思ってた。もっと誘っとけば良かったなぁ｣
｢あはは！私は形だけの人だから、普段は暇してるよ〜♪｣
｢流石に医療学生じゃ遊ぶ時間も取れない？｣
きょとんとした表情をした後、お嬢様は無邪気に笑った
何だろう…こっちがもどかしくなるな
｢ううん！またいつでも遊ぼうね！｣
｢うん…｣
｢割とほんとに、結構寂しいな〜♪｣
｢…そうだね。俺もこんなに、寂しくなると思わなかった｣
｢思ってた以上に仲良くなれてたんだな〜って、今さら思うよ…♪｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
