良いお年を ページ20
｢…人が、目の前で死んだ時も｣
｢…｣
｢いじめられてても、こんな風になってても、何にも思わないのって…やっぱりおかしいのかな｣
お嬢様は、自分の心を探したい
その為に誰を犠牲にしても良いのなら、自分もそれに従うだけだ
｢(そんな異常なお嬢様が、とても愛おしいと伝えれば…きっと嫌われてしまうな)｣
｢ま〜良いや。生って広告多くて見るのむずむずするよね〜｣
例の事件が起きる前に、お嬢様はスタッフとしての仕事も終えて帰宅なされることになっている
最大限に丁寧な対応をしようと頑張っているようだな
実際、お嬢様は非常にお忙しい
｢あはは〜…こりゃ国語に賭けるしかないかも…数学も地理も化学も、ほんっとーに全部きれ〜さっぱり分かんないや｣
｢(高校生はこんな難しいものをしているのか…)｣
｢数学…いや、むり〜…でもこれしか解けないしなぁ〜…｣
｢…｣
｢目逸らされた！？｣
そんなチラチラ自分に目線で助けを求められても…
自分が力にならないことを理解なされたお嬢様は、その後テレビが始まるまで勉強されていた
スマホでテレビを見てるせいで、音楽も聴けない
｢音楽ないと集中できない｣
｢(でもお嬢様…一度集中なされたら音楽が止まっても気づかないですよね…)｣
｢ね〜え〜！まだ〜！？ライブ観たい！そんな過去のこととかどうでも良いから！とっととライブ観せてよ〜！｣
｢…｣
きっとお嬢様ほど淡白な性格しかいなければ、今回の騒動には何の価値もなかったんだろうな
｢うぅ〜…！分かんな〜い！勉強さぼりすぎたぁ〜！｣
｢(嘆いている姿も完璧だ…！)｣
｢タマくん気が散る！もう帰って大丈夫だよ！ありがとね！｣
機嫌が斜めになってしまわれたお嬢様の為にも、その日はもう自分も帰ることにした
｢あっ！そうだ！｣
｢…？｣
｢タマくん！良いお年を〜♪｣
｢(お嬢様も、良いお年をお迎え下さい…♪)｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
