お嬢様の静かな叱責 ページ17
｢待ちなさい！！｣
｢…｣
｢あんた、どうせヤクザなんでしょ！？市民から金を巻き上げて生きてる社会不適合者が、何こんなとこ歩いてんのよ！！｣
｢ままぁ、まってぇ〜！｣
なんか変な奴に絡まれたな…
お嬢様の真似をして、人助けなんかしたのが良くなかったのか？
これが神に等しいあの方の真似事をした罰だろうか
｢うちの旦那はねぇ、医者なのよ！自分の診療所も持ってて車も海外産なんだから！あんたとは違う種族なの！｣
｢ぷっ、種族ってなんだよ♪｣
｢誰か笑ったでしょ今！！！｣
｢うわ〜、あいつヤクザ相手にやばすぎ…♪｣
｢馬鹿にするのもいい加減にしなさい！！！｣
頭がキンキンする
まずいな、この女に絡まれたせいで色んな人からスマホを向けられ…
｢た、タマくん！？｣
｢(なっ…お嬢様！？)｣
｢やっとスタッフ来たの！？遅すぎるんだけど！どうなってるのここの会社は！日本も終わりね！！｣
｢え？あっ、そっか！｣
お嬢様、スタッフどうこうじゃなくて単純に自分を心配して来てくれたんだろうな
｢(まずい…他のスタッフがお嬢様を必死に隠そうとしてるとはいえ、自分とお嬢様が一緒にいるとこを撮られてるのは…)｣
｢申し訳ありません！少し場所を移しましょう｣
｢このヤクザがうちの息子を攫おうとしてきたんです！弁護士呼んでちょうだい！｣
｢あの、ですからそういうのは…｣
｢あんたがとろいから命令してあげてるんでしょ！！｣
こいつ…！
お嬢様に向かって…！！
｢おい｣
｢っ…！？｣
｢次手動かしたらぶち殺すぞ｣
｢………｣
まだ手先しか動かしていなかった自分への、お嬢様の静かな叱責により、自分は放心状態になってしまった
｢それでは、詳しいことは向こうで話しましょう｣
｢何ぼそぼそ話してたのよ！さっさと案内してちょうだい！｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
