3656話 ページ6
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「あかりさんは本当に良い奴だったかあ?家出した挙句、それを手伝ってくれた大人を警察に突き出すような人間だぞお?」
「違うんです!あれはあかりじゃない!」
「それと、凛月さんは善意だけで君を見ていると思うかあ?本当は下心があるのに、君だけが純粋な眼差しを向けて…」
「いい加減にしてください!!」
私が、そんなの一番分かってる
自分がどれだけ才能がなくて、何もできなくて、それで皆に迷惑をかけてるのかなんて
「でも、だからって…諦めたくないじゃないですかっ…!」
「やっぱり、君は子供だなあ」
「っ…!?」
「俺は君に死んでほしい。本当に、心からそう思っている」
冷たい目で、私だけに見えるようステージから背を向けて三毛縞さんは私を見下ろした
「な、なんで…私、何かしましたか…?」
「君という存在が嫌いだ。不愉快で、消えて欲しい」
「っ…だから、なんでって…」
「嫌いな人間の質問に、わざわざ答える必要なんてないだろ」
「…!?」
私はショックを受けた
本当に、ここまで傷ついたのは珍しいなってぐらいに
「君のせいで、俺の大切な仲間は全員地獄に落ちたんだぞ」
「え…?」
「君が快進撃を続ければ、その周りはどんどん傷ついていく。それが分からないのかあ?」
「それは…でも、だからって…」
「君が輝けば輝くほど、周りの光は失って…見えなくなるんだ」
そんなの、誰だってそうでしょ
負けた人が悪いんじゃないの…?
なんでここまで、言われなきゃいけないのさ…
「負けた人間の気持ちを、君は考えたことがあるか?」
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2022年11月8日 19時