十八話 ページ18
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「…はぁ。ま〜くんは俺のこと本当に大好きだよね、よく見てる」
「長い付き合いだから、それぐらい分かるんだよ」
まぁ、仕方ないか
「この際だから正直に言うけど…俺は、別にここから本気で脱出しようとか考えてないんだよね」
「は?な、何でだよ。Knightsも心配してるんだぞ?」
「そうかもね。でも、だからって俺は一刻を争うとは思ってないかな」
俺はま〜くんに…
皆に話した
「見たでしょ。あいつは別に、俺たちに敵意を向けてる訳でも何でもない。むしろ、ここで抵抗するほうが危険だと思わない?」
「そうじゃな。なんせ、我輩たちは既に敵の敷地内におる」
「そう。無理にここから出ようとして、あんな地下牢に何ヶ月も閉じ込められるぐらいなら…俺はあえて何もしない」
「…冷静だな」
「こういう時こそ冷静にならなきゃ」
俺はいつも通りのトーンで、いつもみたいな表情で諭した
「…確かにそうだな。俺は結構、何回か抵抗して返り討ちにあってるし」
「そうだよ。あの強さは異常…真っ向から立ち向かってもまず勝てないだろうしね」
ここから出る前に、やるべきこと
それを俺は皆に提示した
脱出しても、根本的なとこを解消しないとまたここに皆で戻ってくるだけだろうし
「それより、俺はあいつがどうしてアイドルを狙うのか…そこを調べるべきなんじゃないかって思うんだよね」
「はぁ?今はそんなことより…」
「じゃないと、脱出できたとしても俺たちはまた戻される。今よりも更に頑丈になったこの屋敷にね」
「っ…」
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2022年7月30日 14時