レポート6・諦めたらそこで終わり ページ6
衣更side
｢ぐ、偶然だな。おまえも買い物か？｣
｢うん。今朝話してたネックレス、ま〜くんのおかげで買えたよ。ありがとう…♪｣
いつもの何倍も、優しくて幸せそうな顔
でも、これは俺に向けられたものじゃないんだろうな
凛月の手元にあるプレゼントの持ち主だと思うと、何だか複雑な気持ちになった
好きだから…じゃない
｢その…なぁ、凛月…｣
｢ん？なぁに？｣
｢そのプレゼントって、誰に渡すんだ？｣
心配なんだ
おまえは優しくて、傷つきやすいことを俺は知ってるから
｢…ごめんね。内緒｣
｢なっ…！？｣
｢今はまだ、話したくない。少し経ったら、いつかま〜くんにも必ず紹介するから｣
｢紹介って…｣
いつかじゃ駄目なんだ
今じゃないと
そう言いたいのに、うまく声が出ない
｢それじゃあ、俺急いでるから。またね｣
｢あ、うん…じゃあな｣
急ぎ足で帰る凛月の背中を、それ以上追いかけることができなかった
理由は分からない
けど…
何となく、これ以上踏み込むのはいけないと思ってしまった
｢サリ〜、凛月先輩なんて言ってたの？｣
｢…今はまだ教えられないって、言われた｣
｢凛月くんが？本当に？｣
俺ですら信じられなかった
胸をひりひりさせてると、スバルは言った
｢諦めたらそこで終わりだよ！｣
｢…！｣
｢このままじゃ、もっと凛月先輩がサリ〜にお金せびってくるかも！｣
｢それに、あの人をこの時間帯に歩かせるのは危険なんだろう？｣
｢…ああ、そうだ！｣
まだ日の沈んでいない、夕暮れ時
俺は強く決意した
よし…！
｢彼女が凛月を利用してないか、絶対に確かめてやる！｣
｢その意気だぞ衣更｣
｢まだ彼女って決まってないからね…？｣
｢あはは！サリ〜が元気になった！｣
ラッキーアイテム
りっちゃん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤月 音 | 作成日時：2022年3月8日 8時
