＊25 ページ28
✽
改めて見ると白虎の体は大きいのに細く、傷だらけだ。それに…
『…何度も刺された後…』
痛々しい傷跡に目を細める。
お父様も険しい顔をしている。
『…！…これは…？』
ふと、白虎の首についている鉄の首輪のようなものが気になった。触れようとすると…
ｱｵｲ「待てｯ!!」
『!?』
お父様がいきなり怒鳴った。
驚いてお父様を見ると、お父様も目を見開いて首輪を見ている。
そして、さらに険しい表情になり…
ｱｵｲ「…これは…天竜人の…」
と言った。そばにいたお母様も目を見開いた。
『？…お母様、天竜人って…？』
訳が分からずそう聞くと、お母様は苦々しい顔で言う。
ﾊﾙ「…この世界には、天竜人という人達がいるの。彼らはこの世界を作った創造主としてあがめられ、何をしても許されるわ…。だから彼らは人や動物を“買い”、モノとして扱うの…。だからきっとこの白虎は…」
そこまで言ってお母様は目に涙を浮かべた。
お父様は厳しい顔をして、白虎の首輪に手をかけた。
ﾊﾙ「アオイ…」
ｱｵｲ「…いいか。この首輪を外せば天竜人が気づく。だがこんなものがあっては誰も自由にはなれない。みな、いいか…？」
お父様は周りにいた戦士に確認をするように言う。すると…
「そんなこと、聞くまでもねぇ」
ｱｵｲ「!!」
「えぇ、国王様。どうかその虎を自由に」
「姫様が助けたいって言ってんだ。助けない選択肢はない」
皆当たり前だ、という顔で頷く。
それを見て、お父様は驚きながらも不敵に笑いった。
『…お父様…？』
何をするのか不安になっていると…
ｱｵｲ「…A、この首輪は天竜人の印なんだ…。だからこの白虎を自由にさせるためにはこれを取ってやらないといけない。…だから、お前が縛られている鎖を取るぞ…」
お父様は最後に白虎にいった。
《…だが、この首輪を外そうとすれば爆発する》
それに私は驚く。それでは白虎が死んでしまう。けれど…
ｱｵｲ「…普通はな。だが、俺ならできる。娘を信じたのならその父である俺を信じろ」
そう言って不敵に笑った。
それに白虎は目を見開く。
そして…
《…あぁ。わかった。お前を信じよう…》
と言った。それを聞くとアオイは満足そうに頷く。
『…っ、おとうさま…』
不安で言いかけたところをお母様に止められ、頭を撫でられる。まるで大丈夫、というように。
それで私はまだ不安はあるが、口を結び、お父様を見たのだ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sora(プロフ) - ありがとうございます！！今受験のため更新がこ出来ていなくてごめんなさい(>_<)もう少しお待ちくださると嬉しいです！！ (2019年2月22日 0時) (
レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - すごい面白くて必死に読んでました！更新楽しみにしてます！ (2019年2月20日 18時) (レス) id: cb802c0a66 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！最近忙しく更新ができていなくて申し訳ないです(>_<)空いている時間に更新を頑張るのでまた読んでくださったら嬉しいです(*^^*) (2019年1月25日 21時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 凄く面白かったです！続き楽しみに待ってます！頑張って下さい！ (2019年1月25日 12時) (レス) id: caa5a8f062 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 夏季さん» 本当に申し訳ありません。そしていつも応援して下さり本当にありがとうございます！ (2018年12月16日 17時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル | 作成日時：2018年12月1日 18時
