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…まだ、まだ、だめだ。
『…おねがい、信じて…私は絶対死んでもあなたを裏切らないと誓うから…だから死にたいなんて言わないで…』
抱きしめる力を強める。
《人間なんて信じられるか!!》
グルルルルルルルルルルルル
『あなたの気持ちはわかる…!でも…でも最後でいいから…私を信じて…』
止まることの無い涙が頬を流れる。
…着物にはどんどん血が滲んでいく。
私は白虎と目を合わせる。
「!!」
…悲しそうな目が一瞬揺らいだような気がした。
《…お前は…》
まだ私を信じきれず迷っている。
『…私があなたを助けてあげる。今まで痛かったことも、辛かった心も全部』
そう言ってもう一度強く強く抱きしめる。
すると…
『!?』
ドサッ
白虎の力が抜けて地面に倒れ込んだ。
そして…
《…最後にお前みたいな子供を信じるなんて馬鹿馬鹿しいが…信じてやる…もしお前が約束を破れば噛み殺してやる…》
弱々しい声でそう言う。
私は返事の代わりに微笑んだ。
すると、白虎の目から涙が零れた。
『!!』
私はただしばらくその後も涙を流す血だらけの白虎を抱きしめ続けた。
そしてしばらくした後…
アオイ「A…」
名前を呼ばれ振り返る。
『…お父様…』
怒られるのかと目をつぶれば
『!!』
アオイ「よかった…!!」
…優しく、強く、抱きしめられた。
そして優しく頭を撫でられた。
アオイ「よく頑張ったな」
そう言って涙目で笑うお父様。
…あぁ、私はこのお父様が大好きだ。
そう、あたたかい腕の中でそう思った。
少し後ろで見ているお母様と目が合うと、お母様も涙目で優しく微笑んでくれた。
アオイ「…さて、すぐにお前の手当をしよう。その後にすぐ白虎の手当をお前がしてあげるといい」
『!うん…!』
…いつの間にかお花畑にはたくさんの戦士が集まっていた。そして皆心配そうな顔でこちらを見ていた。
けれど…
「姫様がご無事で何より」
「私たちの姫様があなたであることを誇りに思います」
などと、皆、優しい言葉をかけてくれた。
そして…
アオイ「これでいい。だがしばらくはまだ動かしては行けないぞ」
お父様が私の肩を手当してくれた。
『うん』
私は血が滲む肩を見つめてから、目の前の白虎に向き直り、お父様と手当を始めたのだった…。
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sora(プロフ) - ありがとうございます!!今受験のため更新がこ出来ていなくてごめんなさい(>_<)もう少しお待ちくださると嬉しいです!! (2019年2月22日 0時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - すごい面白くて必死に読んでました!更新楽しみにしてます! (2019年2月20日 18時) (レス) id: cb802c0a66 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!最近忙しく更新ができていなくて申し訳ないです(>_<)空いている時間に更新を頑張るのでまた読んでくださったら嬉しいです(*^^*) (2019年1月25日 21時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 凄く面白かったです!続き楽しみに待ってます!頑張って下さい! (2019年1月25日 12時) (レス) id: caa5a8f062 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 夏季さん» 本当に申し訳ありません。そしていつも応援して下さり本当にありがとうございます! (2018年12月16日 17時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2018年12月1日 18時