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いきなりみなさんが固まってしまって驚く。さすがにわがままだっただろうか、と不安になっていると…
ルフィ「おう!いいぞー!!」
と船長さんが笑って答えてくれた。
『!』
嬉しくて楽しみで自分でも表情が明るくなったのがわかる。
『…たのしみ、です。それではまたあとで』
微笑んでから私は彼らに背を向けた。
風雅がある場所へ向かって走り出す。
《…随分と嬉しそうだな。A…》
風雅の背にしがみつきながら低い声を聞きとる。
『…うん。だって“最後に”楽しい冒険のお話が聞けそうだもの…』
《………》
私がそう言うと風雅は黙ってしまった。けれどなんとなくどんな表情なのかは想像出来たので優しく風雅の背中を撫で続けた…。
そして…
《…着いたぞ…》
風雅に連れてきてもらった場所は国の隅にある湖だった…。
そこにはとてもとても大きく古い桜の木が立っている。国全体を覆うほどの巨大な木だ。
そしてその近くにはお墓のようなものがひとつ、建てられていた…。
私は風雅から降りてすこしずつさくらに近づき、お墓の石に触れる…。
そのお墓に刻んである名は…
…フルーレ・D・アオイ…
『…お父様…』
そう悲しそうにつぶやく少女の声は風の音にかき消され、届いたのは風雅だけだった…。
私は石の前に座り、手を組んで目を閉じる…。
『…お父様、あと少し。あと数日でお母様が戻ってこられます…。どうかお母様を守って…。国の者を、戦士たちを守って』
そう口にする少女の手からはきつく握りしめられているからか、少し血が滲んでいる。
そして閉じた目からはぽたぽたと透明な雫が頬を伝っていた…。
それからしばらくいつものように少女は石に向かって祈りを捧げた…。
それを風雅は黙って見つめることしか出来なかった…。
彼女がこの国を去るまであと数日…。
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sora(プロフ) - ありがとうございます!!今受験のため更新がこ出来ていなくてごめんなさい(>_<)もう少しお待ちくださると嬉しいです!! (2019年2月22日 0時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - すごい面白くて必死に読んでました!更新楽しみにしてます! (2019年2月20日 18時) (レス) id: cb802c0a66 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!最近忙しく更新ができていなくて申し訳ないです(>_<)空いている時間に更新を頑張るのでまた読んでくださったら嬉しいです(*^^*) (2019年1月25日 21時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 凄く面白かったです!続き楽しみに待ってます!頑張って下さい! (2019年1月25日 12時) (レス) id: caa5a8f062 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 夏季さん» 本当に申し訳ありません。そしていつも応援して下さり本当にありがとうございます! (2018年12月16日 17時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2018年12月1日 18時