【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が55こ ページ8

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が、しかし。



『……もう12時なんだけど。まだ帰らないの？』



約束の時間から2時間過ぎて、お昼時になっても赤司君は帰らなかった。
未だに側にあったベンチに座って私を待っている。



『……まぁ、2時間ぐらいなら待つ人も居るかもしれないしね。……私はここでお昼食べてよっと』



13時、赤司君はまだ帰らない。
私のラインには、1つだけ通知が来ていた。
多分赤司君からだと思うけど、無視だ。



15時。



『……お腹空かないのかな』



赤司君はまだ居る。



そして18時。



『……何で帰んないの……、もう夜じゃん、絶対私もう来ないでしょ……』



まだ、赤司君は変わらずベンチに座っている。
私がこんなに遅れた時間に来るとでも思っているのだろうか。
私に無視されているとは思わないんだろうか。



20時。
……このまま放っておけば夜遅くまで居そうな雰囲気だ。



『……あーもう！』



最後には私が、我慢出来なくなって思わず喫茶店を飛び出した。
パン屋さんに寄ってパンをいくつか買うと、袋に詰めて赤司君の元に向かう。



『……』

「……A？」

『……馬ッ鹿じゃないの？！朝からずっとここに居て待つとかさ！私に無視されてるとか思わない訳？！』

「……」

『……これ！何も食べてないでしょ、あげる！』



勢いに任せて買ってきたパンを押し付けると、赤司君は黙ったまま受け取った。
私に笑いかける。



「でも、来てくれたんだね。ずっと待っていた甲斐があったよ」

『……はっ？な、何言ってんの……？』



てっきり怒ると思っていた。
けど、返って来た反応はあまりにも予想外。
微塵も怒る様子を見せない赤司君に、私は思わず間抜けな声を上げてしまった。



何で、怒らないの……？
調子が狂う。



『わ、私はね、向かいのお店にずっと居たの！それで律儀にずーっとここで座って待ってる赤司君を見て笑ってたんだから！何時まで居るのかなって見てたんだから！』

「……そっか、ふふ、じゃあ僕は見事にAに遊ばれていたのか。」

『……っ、は、はぁ？……お、怒んないの……？』

「ん？Aは結局こうして来てくれただろう？むしろ嬉しいよ」



……このままだとずっと居そうって思ったから来ただけなんだけど。
なんか、そんな反応をされると良心が痛む。




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