【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が91こ ページ44

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暫くして、ドアが開き帰って来た赤司君。
手にはおかゆとスプーンを持っている。



「食べれそう？」

『……』

「寝てるの？」

『お、起きてるよ……』

「そう。もし食べれないなら僕があーんしてあげるけど、どうする？」

『っ、自分で食べる……！』

「ふーん。起きれる？」

『おおお起きれるから！』



私が熱を出しても赤司君はからかってくるのか。
慌ててベットから起き上がって、赤司君の手からおかゆとスプーンを奪う。
自分で食べれない程弱っては無いし、あーんなんてされたらたまったものじゃない。
主に私の精神的に。



ふー……と息を吹いて少しだけ冷ましてから口に運ぶと、思いの外そのおかゆは美味しかった。



『……これ、誰が作ったの……？』

「僕だよ」

『……ほんと、何でも出来るね……』

「感想は？」

『……』

「美味しくなかった？」

『……ふ、普通……』

「そう」



変な意地が出てしまった。
私は大概素直じゃない。
普通に美味しいって言えば良かったのに。



でも何か、ここで美味しいなんて素直に口に出すのはなんとなく恥ずかしかったから。
それに赤司君に女子力で負けた気がする。
私は料理なんて、簡単なものですらまともに1つも作れない。



『……もう、大丈夫。ご馳走様でした……』

「食欲無い？」

『……あんまり』

「分かった、じゃあ洗ってくるからきちんとそこで寝ててね」



再度赤司君が部屋を出て行き、残された私は毛布を頭まで被る。
けど、落ち着かなくてすぐにきょろきょろと周りを見渡した。



ここは人のベットだし、しかも相手はあの赤司君だし……。
というかこのベット、何かいい匂いする。
そういえば赤司君からも、こんな匂いしたな……。
近くに居る時とか、たまに香ってくるというか。



『……落ち着かない……』



赤司君の部屋は綺麗だ。
色んな物がきっちり整理されていて、当たり前だけどバスケに関する本とか多い。



他に何か無いかな、悪いと思いつつも色々見てしまう。
すると目に入ってきた1枚の写真立て。
赤司君と……私……？
小さい頃の写真だ、棚の上に飾られている。



……あの頃は征君って呼んでたっけ。



『……征君』



試しに呟いてみたら、物凄く顔が熱くなった。




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