【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が70こ ページ23

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しかし聞くところによると、その子は帝光に居るらしい。
同学年で、顔の感じを聞くと童顔だという。



『分かんな……けどどうせ顔が可愛いからとか、見た目だけで好きになったんでしょ？一途な人はね、中身を見るんだよ』

「……見た目だけな訳が無いだろう。少し子供っぽいところや、バカっぽいところ、恋愛相談なんて持ちかけても全く気付かない鈍感なところも、他の奴に見せる笑顔が可愛いところも、優しいところも全部好きだ」

『ちょ、何で私の顔を見て言うの……？』



私以外の他の子の事を言っているのは分かっているのに、そんな真っ直ぐに見つめられて言われると関係無い私まで照れてしまう。



バスケをしている時と同じ、真剣な目だった。
本気だって事はまぁまぁ伝わって。



けれど、赤司君が他の同学年の女の子と一緒に居るのを、最近はあまり見掛け無い。
本当にその子にアピールしているんだろうか。
いや、私が知らない時に二人で会ってたりする可能性も高い。



「ずっと前から好きだった」

『……ずっと前？』

「初めて会ったあの日から、今日までずっとその子が欲しかった」

『昔からの知り合いなの？』

「……でも僕はどうやら素直ではないらしい。その子の事を虐めては泣かせて、そうする事でしか普通に話せなかった」

『うわー、嫌われて自業自得じゃん』

「……それは僕が一番良く分かっている。でも最近気付いたんだ、その子の笑顔や照れている顔も可愛いという事に。だからもう少し優しくしようと思った」



……。



何本気な雰囲気で語っちゃってんの。
弱み握ろうと思ったのに。



『その子にも、他の女の子みたいに手は出さないの？』

「出さないよ、嫌われたくないからね。本当は今すぐにでも押し倒したいが、理性を保つので必死だよ」

『……ふーん』

「大切にしたいから、他の何を失ってでもその子だけは手に入れると決めたんだ」



赤司君も少しは良い方向に変わったのかもしれない。
少なくとも前までの赤司君なら、すぐに手を出していたと思う。



という事はそこまで本気になった子……。
益々気になる、誰だろう。



『ま、頑張ってね』

「……他人事だな」

『？だって私関係無いじゃん』

「……鈍感」

『え？』

「……何でもないよ」



と、そこまで話して皆が帰って来る。
徐々に騒がしくなる私達の周りに比例して、その話も終わりを告げた。



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