【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が89こ ページ42

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前までは、私を見かければすぐに悪口を言ってくる最悪な幼馴染みだったんだけどな……。



今も意地悪だけど、たまーに優しいし。
大分、私の中での赤司君というイメージも変わりつつある。
……でも、おでこにキスをされて以来何となく恥ずかしくて赤司君の顔を見て話す事が出来なくなっちゃったんだけどね。



『っくしゅん！』

「A先輩風邪ですか？」

『あ、いや……うーん、ちょっとね』

「それともくしゃみだからあれですかね！誰かに噂されてるとか！赤司先輩に噂されてるとか！」

『赤司君？』

「赤司先輩、最近良く皆に今日のA先輩のこの仕草が可愛かったとか、照れてる顔が可愛いとか言いふらしてますし」

『え？！な、なにそれ……！』

「愛されてますね！」

『……』

「……照れてます？」

『なっ！て、照れてないよ！只の風邪！風邪だから！』



アリスちゃんにまでからかわれる始末だ。
赤司君が皆にそんな事言いふらす訳無い。
だから断じて噂をされたからくしゃみが出たとかじゃない！はず！



寒気もするし風邪の方だね、絶対。
それに何だか顔も暑いし、きっとこれは風邪だ風邪！
そう思う事にした。



『はっ、はっ、はっ……！はっくしゅぅん！』

「Aのくしゃみ面白いね、風邪？」

『う、うるさいな！そうだよ風邪！』

「……本当に只の風邪？ちょっと身体も震えてるみたいだけど」

『べ、別に寒気もするとかじゃないし！』

「Aってツンデレだよね、いやこの場合はツンデレというより只の強がりか。寒いなら抱き締めてあげようか？」

『へ？！や、い、いいいい！いいって！』

「そう、残念」



そんでもって赤司君は今日も通常運転。
言いながら本当に私を抱き締めようとしてくるから、驚いた私は即座に赤司君から距離を取った。



私が逃げて空振りに終わってしまった赤司君は、冗談だよと笑っている。
そういう事をするの自体辞めて欲しいんだけど……。
……にしても、寒気凄い。



『……』

「大丈夫？」

『だ、大丈夫……』

「……もしかして熱ある？」

『い、いや……』



赤司君が、私の顔を覗き込んでくる。
直視出来ない私は、突然の事に顔を赤くした。
なんと言うか、恥ずかしいのとくらくらするのと、寒気と、暑さと、色々合わさって……！！



そこで、私の視界は暗転した。




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