意地悪が52こ ページ5
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「Aはフられた?違うな、Aがお前をフってやったんだ、お前のような男はこっちから願い下げだってね」
最後にそれだけ言うと、赤司君は私の腕を引いて先輩の元から離れる。
未だに頭の回転が遅い私は、されるがまま付いて行くだけ。
そのまま人混みがあまり無い通りに出ると、赤司君は私の腕を離した。
『……あ、赤司、君……』
「……Aが、傷つく前にどうにかしてあげられなくてすまない」
『へ……?え、えっと……』
「あいつの事はもう忘れろ、携帯はある?」
『あ、ある、けど……』
「……ラインもブロックしておいたよ」
『……え、あ……な、何で……?赤司君がここに……?それに私は……えっと……』
「良い?Aはあいつとはもう別れた、Aがあいつをフってやったんだ」
もう一度、目の前で言われて私は気付いた。
理解する。
あぁ私は……先輩とはもう……
それを考えたら、赤司君が来た事によって一時は引っ込んでいた涙がまた顔を出してくる。
今度は、抑えられそうにない。
「……ほら」
すると赤司君は、私を再度抱き締めた。
泣いても、良いって事なんだろうか。
私の目から、涙がぽろぽろと落ちてくる。
『……うっ、ぐすっ……ひっく……』
「……」
『……先輩っ……好き、だったのに……』
「……そうだね」
『何でっ……初めて……出来た彼氏って……喜んだ……のに……っ』
「……」
赤司君は相槌だけ打っていた。
特に何も言わず、ただ聞いてくれるだけの赤司君に私も救われて。
自分の思いを、少し呟けばちょっとずつちょっとずつ心は落ち着いてくる。
本当は今でも信じられていない。
先輩が、まさか……
でもあの雰囲気は、あの言葉は全て先輩から出されたもので、冷たい目に映る私を見て、あぁもう本当に私の事は何とも思っていないのだと、それだけはすぐに分かって。
……もうそれが分かれば充分じゃん。
つまりは、そういう事だよ、私……。
「……落ち着いた?」
『……うん……ごめん……赤司君……』
「Aが謝る必要は無いよ」
『でも……、そっか……赤司君は……気付いてて……それで私に……』
あの時は怒ってしまったけど。
赤司君に体育館で先輩とは別れろと言われた日。
あの時から……赤司君は気付いていて。
私だけだったのか、1人で、喜んでカップルごっこをしていたのは。
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葵(プロフ) - 関節じゃなくて間接なのでは? (2020年3月17日 21時) (レス) id: 349b72f88b (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - カコさん» 赤司様ぁぁぁぁぁ!!!夢主の彼氏になったら夢主をたくさん虐めてくださぁぁぁい!!!大好きでぇぇぇす!!笑 (2018年3月4日 13時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 朱香さん» もうここからは最後まで駆け抜けれますよ笑 エレベーター上ってます笑 早く彼氏彼女になるんだ赤司様と夢主!笑 (2018年3月4日 13時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - *杏花*さん» 無限にあっても足りないくらいですよね笑 ちょっと好きになりつつある夢主を完全に落とすまであと少しですね!赤司様頑張れ!私も最後まで頑張ります!笑 (2018年3月4日 13時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 真理亜さん» そんな事言ったらすぐ赤司様に襲われちゃいますよ笑 赤司様はドSですからね、耐えれますかね……?ぐへへ(^p^三^p^) (2018年3月4日 13時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2017年12月24日 12時