50話 寝癖 ページ1
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次の日。
目が覚めたAは、いつもと違う見慣れない天井に首を傾げた。
側に置いてある時計を見る。
いつもより2時間も遅い時間に起きたようだ、まだ少し眠い。
覚醒しきれない頭を動かして、ここは何処だろう、昨日何があったっけと思考を巡らす事数分。
『ぁ……そうだ、私赤司君の家に……!』
昨日の事の成り行きを思い出したAは、飛び起きた。
もう一度時間を見る。
2時間の寝坊、+思考を巡らしていた時間を合わせるといつもより2時間10分も遅い。
急いで寝間着から制服に着替えると、征十郎から貰った自分の部屋の扉を開けた。
急ぎ足でリビングまで降りていく。
今は朝の7時。
普通に考えると、朝練が始まるのは6時30分からなので征十郎は居ない。
リビングの扉を開けると、予想通り征十郎の姿は無かった。
代わりにテーブルの上に置いてある朝ご飯。
鮭に味噌汁にご飯に漬物。
定番の日本の朝ご飯のようなラインナップ。
側にはメモも置かれていた。
『……おはよう、思いの外ぐっすり寝ていたから起こさなかった、恐らく寝坊しているだろうが……昨日の今日だ。今日ぐらいは朝練に遅れても構わない、体調が優れないらしいと皆には僕から言っておく……』
征十郎らしい綺麗な字を読んで、Aは征十郎は自分が寝坊した事を怒ってはいないととりあえずホッとする。
しかし、数秒後にはある1文が頭の中を引っかかって離れなかった。
『……思いの外、ぐっすり寝ていたから……起こさなかった……?』
まるで寝ていたAを知っている、見ていたかのような言い方。
まさか……。
無断で私の部屋に入ってきたの?!
しかもこれだと寝顔を見られた事になる。
『……1番、無防備な時に……それならせめてその時に起こしてくれれば……』
寝顔が見ていられない程の変な顔だったらどうしよう。
恥ずかしい姿を見られた……と落ち込むと同時に、勝手に部屋に入ってくるのはどうかと思うモヤモヤとでAは板挟みになる。
しかし征十郎はもう今は学校だ。
遅刻なんてAは生まれてこの方一度も……いや1回だけあるが、それ以外はした事が無い。
兎にも角にも急がなきゃと、征十郎が作ってくれたであろう朝ご飯を急ぎで食べて、学校へ向かった。
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どろっぷ - すごく、おもしろかったです。更新、待ってます。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - すっげ………面白れぇ………更新、頑張って下せぇ!! (2020年9月7日 6時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - ????? (2020年8月8日 11時) (レス) id: a60876bc3f (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 仁王彩香さん» 1ヶ月程また更新してませんでしたね……!申し訳無いです……!この後の展開を考えていたら少々行き詰まってしまいまして……笑 でも私も早く2人をもっと進展させたいので、また今週から更新再開させますね! (2020年7月5日 19時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 更新お願いします。゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2019年12月1日 20時