【赤司征十郎】学校を駆け回れ！2【黒子のバスケ】

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……ダメだ、ぽっかり穴が空いたみたいにそれ以上は何も思い出せない。



『……思い出せないって、辛いね……』

「え？」

『ガイコツさんもさ、思い出せないって……それって自分が何者かすら分かんないって事だよね』

【そうですね、自分の名前も忘れていますから】



記憶喪失とか、記憶障害とかってこんな感じなのかな、とふと思う。
自分の事なのに分からない。
何者なのか分からない。



分かりやすく言うなら、自分を客観的に見てる感じ。
第三者目線で、良く分からない自分を知ろうとしている、そんな。
思い出せない、覚えていない、それがどんなに辛い事なのかホラーに巻き込まれて初めて知った。



それに何か……もやもやするんだよね。
思い出したいけど、思い出す事を拒否してるような……？
もし、もしもだよ？
新聞には原因不明、考えられるのはガス漏れの事故か？って書いてあったけど、それが事故じゃなかったら？



私が、何故火事が起きたのか本当の理由を知っていたとしたら？
涙を流していたって事は、事故でも放火魔とかの犯行でも無い……？



この学校は私に何を伝えたいんだろう。



『……はぁ、とりあえず次は……図工室とか、かな、行くとしたら』

「図工室？何でまた、あ、思い出したって事か？」

『……思い出す為、だよ。同じクラスだったって分かったなら、それに関連する所に行けば良い、図工の時間に移動教室で図工室は使うでしょ？だからまた何か思い出せるかなって……』

「そっか、なるほど。確かに一理あるわね」



思い出せるかは別として。
納得してくれた4人と共に図工室へ向かう。
図工室があるのは2連。
1連程では無いにしても、相変わらず廊下はゾンビさんがうろちょろ。




銃で打っても転送されるだけで倒せはしないから、また後で戦うかもしれないのかと思うと無視した方が負担は減る気がするけど。
私達が無視してもあっちは無視してはくれないので……効く武器があっても精神的に削られるなぁ、これ……。



と、少し嫌気がさしてきていると図工室はもう目の前。
後少しで思い出せるかもしれないんだ、気を張って頑張ろう。
鍵は開いている。



躊躇してる暇は無い。
一刻も早く、思い出してホラーから脱出しないと。
扉を開けた。






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