みえないモノをみる。 【文スト】

友の姿＿＿肆 ページ31

「オイ。起きろコラ、手前の有り金全部奪うぞ」

『……ぐ、あ。物騒過ぎんだろチビマフィア』



頭に手を遣る。少し頭痛がするだけで、他は異変は無い。あっぶねー。



『何だった？』

「種類か？」



私はそうそう、と頷いた。中也は溜め息を吐き、私が横たわっていたベッドに腰かかった。

どうやら私は毒を盛られたらしい、と云うのは倒れる瞬間に判った。それをさておいても、此の一言で判ってくれるのはありがたい。



「ジギタリス。気をつけろ、莫迦が」

『すんませーん。でも、何時やられたんだろ』



毒を喰らった覚えなんて無い。

私が首を傾げてそう云うと、「阿保か」とデコピンをされた。



「大方、朝飯に混入されたんだろ。手前何処のホテル泊まった」

『駅の近くの……何だっけ、喫茶店が確か近くにあったよ』

「後で調べとくわ。もう帰っていい……違う此処に帰れ、マフィア傘下のトコだ」



立ち上がろうとした中也はポケットに手を突っ込み、私に紙を差し出した。見ると、此処から何処か──ホテルか、其処への道が書いてあった。



『何々、何合室かね？』

「最上階」

『ぶふぉっ！』



ままま、マジかよ。え、善いの？ 善いんだよね？ もう言質取ったからな、今更訂正しても遅いからな！



「じゃあな、今日はもう休んどけ」

『……中也』



部屋から出て行こうとした中也が足を止めた。振り返り、気まず気に口を開く。



「……ンだよ」

『二度目はなくってよ』

「頼む忘れろ」










たっぷり楽しませて頂きましたー！

いやァ面白い、最高だね中也！ 今まで弄れなかった分たっぷり楽しませてもらったよ、ふふふ！


探偵社の一角。何やら皆がバタバタしてる中で、私は一人ソファに寝っ転がってニマニマとしていた。独歩に叩かれるかと思ったけど居なかった。

代わりに乱歩に叩かれた。何故だ。

xxの会合＿＿壱→←友の姿＿＿参

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す