7話 ページ8
期末テストの前、私は男の家に通っていた
間違いなく従兄弟という言い訳もできないただの先生と生徒の私たち
ダメなんだけど、でも、やっぱり好きだから止められなくて
勉強教えてもらえるなら、なんて思ってホイホイ真ちゃんの家に通う私
横では真ちゃんの優しい声が私の教科書を読み上げていて
その声に毎回心臓を持っていかれそうになる
真ちゃんは私のことをなんとも思っていないから、本当に手を出したりとかそういうモラルのないことはしない。正直和くんと2人の方が怖いかもしれないなぁなんて変なことを思って
目の前の教科書に集中しようと頭の中の余計なことを振り払った
私は好きな人がずっと変わってないし、真ちゃんのことを見ている以上他の人にうつったりもない
でも、同じ軽音部の中でみんなすごい取っ替え引っ替えしてて
私も真ちゃんがいなかったらこんな風になってたのかななんて思うこともある
軽音部の部室の前を通ると男女がイチャイチャする声や音が聞こえて寒気がするし
こんな部活いっそやめてしまいたいとすら思う
「ねー真ちゃん」
「なんだ」
ひと段落ついてペンを置いた私を見て、真ちゃんも教科書を閉じる
「なんで男ってバカばっかなの?」
私の言葉にため息をついて、「なんかされたのか?」と優しい声で呟く真ちゃん
「んーん、ただ部活内で取っ替え引っ替えしてるからサ」
私はそう呟きながらソファの背もたれによっかかった
「Aは少し考えが大人びてるからな、そういう遊びたい人たちには染まらんだろう」とお茶を入れ直すために立ち上がった真ちゃん
私は台所に歩いていく大きな背中を見つめていた
大人びてるなら、私のこと女の人としてみてよ
柄にもなくそんなことを思って
また胸が苦しくなる
「今日ご飯食べてくか?」
台所から真ちゃんの声が聞こえて
私は元気よく返事をした
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M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時