15話 ページ16
『んなぁ真ちゃん、Aが中学上がったらぜってぇモテるよな』
俺が作った夜ご飯を口にしながらそう俺に問いかけた高尾に、小さくため息をついて
俺は『中学生で恋愛なんて馬鹿げているのだよ』とぶっきらぼうな冷たい言葉をこぼした
『んなこと言うなって!真ちゃんが恋愛経験無さすぎるだけなんだってば〜、』
なんて少し俺に怒った表情で料理を箸でつまむ高尾は
『Aがずっと小せえと思ってたけどよ〜
どんどん大人になってくんだなぁ』
と寂しそうな声でつぶやいた
『真ちゃん、中学生で付き合うのなんで?』
急に俺の目の前の高尾がAに変わった
『さぁな、知らないのだよ。お前も割と大人びた考え方するんだな』
俺も料理を口に運んびながら目の前を見直すと
そこには大人になったAが座っていた
彼女の顔は、黒いモヤがかかっててあまり思い出せない
『真ちゃん、…わたしって…』
『真ちゃんの前では…大人になれないのかな?』
オイッ 朝だぜぇ〜
オイッ 朝だぜぇ〜
オイッ 朝d
素早く腕を動かして、スマホのホームボタンを目を瞑ったまま押して目覚まし時計を止めた
「…いつの間に、寝ていたのだよ、」
スマホを確認すると朝の8時
今日は土曜日のため午後の部活に間に合えばよかったのだが
毎日かけている目覚ましのおかげで朝の8時に起こされてしまった
それにしても懐かしい夢を見た
Aにチョコレートをもらったせいだろうか
昨日読んだ手紙の印象に残った言葉が俺の夢まで支配してきて
朝からあいつのことで頭がいっぱいだ
いつまでも子供だと思っていたAが一気に大人の俺たちの世界に近づいた気がした
女の子ではなく、1人の女に
そんなことを思っても相手は9歳年下だし
俺にとっては何も関係のない話のはずなのだよ
こっちは25のオッサンだ
彼女が俺を好きだと思ってくれていたのは、きっと何か大きな憧れとか、小さい頃から一緒にいたからとか
そういう理由なのではないかと思う
もちろん俺にとってもそうだ
小さい頃から見ていたから、何か愛情を感じてしまうのだ
そういうことにしておこう
109人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時