178話 ページ30
緑間side
俺の言葉に少しピクリと反応して、顔を赤らめながらパタパタと洗面所にかけていくA
何度も俺の家には泊めていたが、なんだかんだ彼女のパジャマ姿を見るのは初になるのかもしれないな
この間だって、俺が抱いてしまったのは俺の匂いを纏ったあいつが煽ってきたからであって…
と、そこまで思考を巡らせて俺は大きなため息をついた
『真ちゃんは、両思いでもつきあっててもすぐに手出したりしないじゃん?』
さっきの彼女の言葉が頭の中を駆け巡って
かなり酔いが回っている俺の頭に、頭痛が走る
あの日たしかに抱いてしまった
部屋は暗かったし、彼女もとろとろに酔っていたため覚えてないと言われてもおかしくはないが
果たして本当に覚えていないのだろうか
俺の経験から言わせてもらうと
覚えていないことはない、なんだかんだ記憶がとびとびで少しずつ覚えているのが普通だと思うのだが
…もしかしたら夢の中でしたと思っているのか
たしかにあれが本当だったかなんて俺に聞くことは難しいだろうし
それなら納得いくような気もする
あの日は俺もどうかしていたと思う
前に付き合っていた彼女には自分が歯止め効かなくなることもなかったし
そんな風にいきなり抱いてしまうこともなかった
いつも、彼女に振り回されてばかりだ
何故か愛おしさが溢れ出して俺の視界はじわりと歪む
そんな光景に流石に飲みすぎたか、と自覚した俺は水を飲もうと席を立ち上がった
倒れるほどフラフラするわけではないが、やはり少しふらつく足元に、俺はもう飲むのをやめようとため息をついた
洗面所からは風呂を出た様子の彼女がドライヤーを使っている音が聞こえて
その音がまた俺の心の何かを駆り立てていく
「あー…、まずいな」
いつもみたいに1人なら何も問題はないが
今日は訳が違う、彼女も一緒だ
おぼつかない足でキッチンについた俺は、水道水をコップに注いで
勢いのままに喉の奥へと流し込む
ふはぁ、と漏れた息は熱く
俺は柄にもなく何かに緊張しているのを感じた
今日は、この間抱いてしまったことをAに伝える、そして
今日は何があっても手を出さない、
そう心に決め、もう一度水を注いだ俺は
暑い体を冷やすようにさらに水を飲み込んだ
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チョコドーナツ(プロフ) - 更新停止……ですか!!??先が気になりすぎて……そして真ちゃん可愛いし最高ですありがとうございます (4月7日 1時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
M - 忙しくて、ずっと読めてませんでした。すみませんm(_ _)m黄瀬くんの方も楽しみにしてます(*^^*)頑張ってください! (2021年6月15日 10時) (レス) id: d11a777a3f (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Mさん» ありがとうございます( ; ; )そろそろ黄瀬くんのほう書かないと!!!! (2021年5月29日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
M - はい、、、クライマックス、近づいておりますね、、、あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうダメです。ショートします。( ゚∀゚)・∵. グハッ!!良すぎです。続編きましたが、早いですね。お忙しいと思いますが、頑張ってくださいm(_ _)m (2021年5月28日 13時) (レス) id: e87ddeca49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2021年5月28日 9時