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169話 ページ21

「お前がきたい時に来てくれて構わない」


確かにはっきりそう言った真ちゃん
前にも同じことを言っていた気がするが
具体的にどれくらい行っていいのかがわからないのだ

「…じゃあ例えば、真ちゃんが仕事忙しくて私の相手できなくても行っていいの?」

なるべく邪魔になることはしたくない私だが
会いたくなるのも事実なのでこの際はっきり聞いてしまおうという魂胆だ

真ちゃんは少し考えた後、そっと口を開いた

「俺が家にいない時にも出入りできる時のための合鍵じゃないのか」

真ちゃんはいつも、私が欲しい言葉以上のものをくれる

その言葉に心が締め付けられた私が少し黙っていると、さらに真ちゃんは続けた

「俺はお前の合鍵を持っていないから、会いたくても会いに行けないのだよ」


「だから、その…



Aから来てくれないと、こまる、というか、だな。」


今にも寝そうで、意識がいつ飛んでもおかしくない状況だったにも関わらず
真ちゃんのその発言で私の口から思わず笑い声が漏れてしまう


なんだそれ、いつもそんな嬉しいこと言ってくれないくせに


「…そっか、わかった、ありがとう」

しんちゃんは急に恥ずかしくなったのか、気を紛らわすように寝返りを打つ音が聞こえた

真ちゃんの横で一緒に眠りたい
素直にそう思った瞬間だった



「…今度どこか出かけるか」


とても心地の良い空気に、もうすぐ寝落ちる、という時に
真ちゃんはとんでもない爆弾を投下して
その言葉に私はまた目をかっ開く

「えっ!!」


頭の中が真っ白になって、私も思わずスマホの方に寝返りを打った

「真ちゃんほんと、相当酔ってるよね」

慌てた私に「割とこれは本心なのだよ」と続けた真ちゃんは、電話からでは表情を確認されないと思ったのか
いつもより少し強気な気がする

こんなにも甘え上手で、恋人相手だとこんな声を出すなんて
みんなは知らないだろう

「…じゃあ、そのデートの前の日泊まるね?」


私も負けじと真ちゃんに甘い声で囁くと
また急に恥ずかしくなった真ちゃんが言葉に詰まった音が聞こえた


「…わかったのだよ」



次寝るときは、同じベッドで寝たいなんて言ったら
きっと変な意味に捉えられてしまうだろう

ただ真ちゃんの大きな体に包まれて、真ちゃんの匂いを浴びて寝たい
それだけだけど…、今日の電話のしんちゃんを見ていると
なんだか私たちも恋人らしいことが起きてもおかしくないんだなと感じた

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チョコドーナツ(プロフ) - 更新停止……ですか!!??先が気になりすぎて……そして真ちゃん可愛いし最高ですありがとうございます (4月7日 1時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
M - 忙しくて、ずっと読めてませんでした。すみませんm(_ _)m黄瀬くんの方も楽しみにしてます(*^^*)頑張ってください! (2021年6月15日 10時) (レス) id: d11a777a3f (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Mさん» ありがとうございます( ; ; )そろそろ黄瀬くんのほう書かないと!!!! (2021年5月29日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
M - はい、、、クライマックス、近づいておりますね、、、あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうダメです。ショートします。( ゚∀゚)・∵. グハッ!!良すぎです。続編きましたが、早いですね。お忙しいと思いますが、頑張ってくださいm(_ _)m (2021年5月28日 13時) (レス) id: e87ddeca49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2021年5月28日 9時

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