緑間真太郎は恋にも鈍感4

167話 ページ19

スマホを開く前なのに
彼からのメッセージの通知が表示されただけなのに
ただそれだけで心が熱くなる

『今日は色々と忙しくて、全部やることをやっていたらこんな時間になってしまって
今布団に入ったのだよ』

ピコン、ピコンと続けて送られてくるメッセージに少し嬉しくなっていると
勝手に顔認証をしたスマホにロック解除されてしまい

「あっ」

情けなく漏れた声と共に画面が明るく照らされた

こんな時間に起きていると知られてはきっと怒られてしまう
そう思いながらも彼のメッセージを開いたまま寝落ちをしていた私は
あっけなく彼からのメッセージに既読をつけてしまった

『連絡が遅くなってすまなかった』

そのメッセージが目に入ったと同時にまた新しいメッセージが送られてくる

きっと、まだ寝ていないのか、とか、早く寝ろ、とかそんなぶっきらぼうなメッセージだと思っていたのに

私の予想は大きく外れ、彼のメッセージに心臓が大きく揺れた

『眠れないのか』


彼に届くはずのないため息は枕に消えて
私はそっとキーボードに指を伸ばす

「ううん、起きちゃった」

こんな時間に、真ちゃんと話しているその事実が
嬉しいなんて
付き合ってる彼女が思うことだろうか

「お前さえ良ければ、今電話もできるのだよ」

眩しい画面に瞬きを繰り返していると、そんな優しいメッセージが表示されて
私の女の勘が研ぎ澄まされる

…さてはもしかして今日お酒でも飲んできたな？？

普段はこんなに甘々じゃない真ちゃんがこんなにも優しいなんて
絶対何かおかしいに決まっている


寝たいと思いつつ
うまく寝付けなかったのは事実だし

そう思った私は、そっと画面端の電話マークに触れた

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