163話 ページ15
「そうだ、」
ご飯を食べている時、真ちゃんはそう小さく口にすると
リビングの棚の引き出しからなにやら小さな袋を取り出した
何だろう、と思ってじっと見ていると、それは思いもしなかったもので
「…その、一応、恋人として、信頼しているから渡しておくのだよ」
真ちゃんはそう言いながら私の手に合鍵を渡した
「…うそ!!」
いつもダンディな大人の男性な真ちゃんも、鍵を渡すときだけは耳まで真っ赤で
何だか嬉しくなった私は、とびっきりの笑顔で「ありがとう」と伝えた
「…その、昨日は、すまなかった」
ご飯を食べ終わって箸を置いた真ちゃんは
また目も合わせないまま私に謝って
何のことだかさっぱりわからなかった私は、「いやいや、私も寝落ちしてベッドまで運んでもらってごめんね」と口にする
「?」
「?」
2人の間にまるで某芸人の様なすれ違いが起きていることに気がついて
私は自分が酔うと記憶を飛ばしやすいと言うことを思い出した
「お前、まさか覚えてないとか言わないだろうな」
少し真剣そうな顔の真ちゃんがだんだんと青ざめていくのが見えて
私は思わず「待って、私真ちゃんの前で吐いたりした!?」と自分の口を押さえる
そんな私を見た真ちゃんはそのまま数秒間停止して、仕切り直す様にゆっくりと口を開いた
「…、俺が昨日、Aに伝えたことは覚えてるか?」
面接の様な謎な雰囲気に笑ってしまいたくなるが
きっと本人は本気なのでここは笑ってはいけない
「うん、…私の人生を真ちゃんにあげるって話でしょ?」
「そ、そこは繰り返さなくていいのだよ!!」
ばん!と机を叩く真ちゃんはやっぱりツンデレで恥ずかしがり屋さんだ
ケラケラと笑ってしまった私に、真ちゃんはさらに続ける
「そのあとは?」
「…うーん、お風呂入ったのがその話の前だったか後だったか…は、微妙かもしれない」
「…嘘だと言ってくれ」
私のその発言により、真ちゃんはさらに頭を悩ませるのだった
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チョコドーナツ(プロフ) - 更新停止……ですか!!??先が気になりすぎて……そして真ちゃん可愛いし最高ですありがとうございます (4月7日 1時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
M - 忙しくて、ずっと読めてませんでした。すみませんm(_ _)m黄瀬くんの方も楽しみにしてます(*^^*)頑張ってください! (2021年6月15日 10時) (レス) id: d11a777a3f (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Mさん» ありがとうございます( ; ; )そろそろ黄瀬くんのほう書かないと!!!! (2021年5月29日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
M - はい、、、クライマックス、近づいておりますね、、、あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうダメです。ショートします。( ゚∀゚)・∵. グハッ!!良すぎです。続編きましたが、早いですね。お忙しいと思いますが、頑張ってくださいm(_ _)m (2021年5月28日 13時) (レス) id: e87ddeca49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2021年5月28日 9時