佰玖拾肆話 ページ9
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『二人して黙ってたなんて…』
師範のバカ
でも、これ以上ない最高の入学祝いです……
「ごめんごめん。でも、これでやっと約束を守れる…A、手出して」
『？うん、』
言われるがままに両手を差し出すと、そっと置かれた物がシャランと綺麗な音を立てた。
『！！無一郎、これ……』
「これもね、宇髄さんがあの日から大切にとっておいてくれたんだって」
私の両手に乗っているのは、浅葱色の装飾が施してある簪だった
昔、無一郎が私にくれた大切な物
傷一つなく、花梨の花も簪の上で綺麗に咲き誇っている。
『っ……』
胸元で簪をギュッと握りしめる
あの夜の戦いで壊してしまったかと、失くしてしまったかと思っていた。
まさか師範がずっと持っていてくれていたなんて…
「A、ちょっと貸して？」
差し出された手に簪を置くとそっと髪に触れられる
頭に僅かな重みを感じて無一郎を見ると、彼は優しい瞳で私を見ていた。
「うん、やっぱりAの髪に映えるね。昔から変わらない綺麗な髪…」
髪を掬う優しい手つきと、私を見つめるその瞳に心臓がギュッと掴まれる感覚になる。
「ねぇA、約束覚えてる？」
『うん、覚えてるよ』
覚えてる、忘れるはずないよ。
「遅くなっちゃったけど、今度こそ一生Aの側にいる。もう二度とAを一人にしない。だから……僕のお嫁さんになってください」
両手を握る手に力が入る
これ以上の幸せがあるだろうか
『はい、無一郎のお嫁さんになりたいです』
優しく、それでいて真剣な目をした無一郎に私は泣きながらも笑顔でそう答える。
「ありがとうA、愛してるよ…」
『私も、愛してるよ…無一郎』
無一郎の顔がゆっくり近付いてくる
私は目を閉じ、優しく重なる唇を甘受する。
やっと再び巡り逢えたね
「あ、順番が逆だったかな…A、おかえり」
『ふふ、そうかも…無一郎、おかえりなさい』
おかえりなさい、最愛の人よ
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あい - 完結本当におめでとうございます！！とってもおもしろかったです！おつかれさまでした！ (2022年10月10日 10時) (
レス) @page16 id: 59a559ed23 (このIDを非表示/違反報告)
ライチュウLove - 無一郎がとても大好きで、いろんな無一郎の小説を探し回ってる中でも、この小説が1番ダントツで好きです！！無一郎に会いたい気持ちでいっぱいな時や、良い小説が見つからない時に、いつも読んでます！花言葉、面白いですね！素晴らしい作品をありがとうございました！ (2022年7月19日 23時) (レス) id: 9cfbcd581d (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス(プロフ) - 完結おめでとうございます！途中から号泣しながら小説を読んでました！少しづつ見てきて、やっと最後まで見ることが出来ました。素晴らしい小説に出会えてよかったです！ (2021年4月13日 1時) (レス) id: 9437ea24d0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 茜さん» 茜様、いつも暖かいコメント本当にありがとうございましたm(_ _)m好きだと言って頂けて本当に嬉しいです(*´ω`*)未来編書くの楽しかったです！！私の方こそ長きに渡り本当に本当にありがとうございました！また次回作でお会いできたら嬉しいです(*´ω`*) (2021年4月7日 9時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - あっ！未来編ありがとうございましたっ！！書くの忘れちゃったんですけどどうしても伝えたくて…本当におつかれ様ですっ！！ (2021年4月5日 15時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2021年3月27日 23時
