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佰玖拾壱話 ページ6

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『お母さんおはよう』







「おはようA。朝ご飯出来てるわよ」








あれから随分と時が流れ、無事にまた人として生を受けた。







「A、早く準備しないと間に合わないぞ!今日は大事な日なんだから!!」







『おはようお父さん。大丈夫だよ、まだ全然時間あるし』






「Aおはよう。今日も可愛いな!」






『お兄ちゃん…おはよう』








家族も皆んな前世のままだ。それに…









「A、おはようさん」






『おはようございます師範』







師範ともまた出逢えた




しかも家がお隣さんで私とお兄ちゃんの幼馴染




だからよく当たり前のように家にいる。







「…毎回思うけどさ、何でAは天元の事師範って呼ぶんだ?」






「そりゃあ俺がAの恩師だからだ、人生の」





まぁ、合ってると言えば合ってるんだけどね




前世の記憶があるのは私と師範だけだからお兄ちゃんが不思議に思うのも無理はない。






「天元みたいな輩がAの人生に入り込んでくるなよ」





「オイ晴樹(はるき)、あんまり生意気言うと成績下げるぞ」






「お前それでも教師か」







「ふふ、仲が良いわねぇ」






『そうだね』






騒がしい二人を横目に支度をする。







「Aも今日から中学生ね。制服似合ってるわ」







そう、今日はキメツ学園中等部の入学式だ。







「Aの制服姿可愛いなぁ」






「式で写真沢山撮るからな!」






『恥ずかしいからやめて。それにお兄ちゃん高等部の代表でしょ?』





本人よりお父さんやお兄ちゃんの方が浮き足立っているから笑ってしまう。






「…A、もう家出とけ」






『時間まだ余裕ですよ?』






「良いから、ホラ早く行け」






急かされて玄関に向かうが、その後ろから何故か師範もついてくる。






『もー何なんですか師範』






「すぐ近くに銀杏並木があるだろ?そこ通って行け」






確かにあるけど…





『何でですか?あの道遠回りですよ』






「俺からの派手な入学祝いだ。いいか、絶対に通れよ?」







『…分かりました。じゃあ、行ってきます』







「A」






玄関に手を掛けると再度師範に呼ばれた。





「おめでとう。これからの人生、もっとド派手に楽しめよ?」






『?はーい』






よく分からないけど、師範の言葉に頷いて私は今度こそ新たな門出の一歩を踏み出した。







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あい - 完結本当におめでとうございます!!とってもおもしろかったです!おつかれさまでした! (2022年10月10日 10時) (レス) @page16 id: 59a559ed23 (このIDを非表示/違反報告)
ライチュウLove - 無一郎がとても大好きで、いろんな無一郎の小説を探し回ってる中でも、この小説が1番ダントツで好きです!!無一郎に会いたい気持ちでいっぱいな時や、良い小説が見つからない時に、いつも読んでます!花言葉、面白いですね!素晴らしい作品をありがとうございました! (2022年7月19日 23時) (レス) id: 9cfbcd581d (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス(プロフ) - 完結おめでとうございます!途中から号泣しながら小説を読んでました!少しづつ見てきて、やっと最後まで見ることが出来ました。素晴らしい小説に出会えてよかったです! (2021年4月13日 1時) (レス) id: 9437ea24d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» 茜様、いつも暖かいコメント本当にありがとうございましたm(_ _)m好きだと言って頂けて本当に嬉しいです(*´ω`*)未来編書くの楽しかったです!!私の方こそ長きに渡り本当に本当にありがとうございました!また次回作でお会いできたら嬉しいです(*´ω`*) (2021年4月7日 9時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
- あっ!未来編ありがとうございましたっ!!書くの忘れちゃったんですけどどうしても伝えたくて…本当におつかれ様ですっ!! (2021年4月5日 15時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年3月27日 23時

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