佰捌拾捌話 ページ3
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『師範』
風が過ぎた後に聞こえた声に目を見開いた。
「A…か?」
『わぁ、賑やかなお墓。嬉しいなぁ…ふふ、誰がどれをお供えしてくれたのかすぐ分かる』
おい、聞けよ。
『おはぎやしゃけ大根まである。この天丼は…師範ですね?』
そうだけどよ、そんな事より…
「お前…何で…」
『…どうしたんですか師範、らしくない顔して』
いやお前が急に出てくるから驚いてんだよ。
「…誰のせいだと思ってんだよ」
『私、ですか?』
「大当たりだよこのバカ娘が」
『師範に言いたい事があって……師範、生きて帰れなくてごめんなさい』
「ホントにな…師範であり親代わりの俺より先に死ぬなんて派手に親不孝者だぞ」
だがそれ以上に、俺もコイツに言わなきゃならねぇ事がある。
「A、一緒に戦えなくて…お前が一番ツライ時に側にいてやれなくてごめんな」
本当は謝らなきゃいけないのは俺の方なんだよ
俺が引退してなきゃ、片腕を失くしてなきゃAの事を守ってやれたかもしれねぇ
Aと時透の未来を守れたかもしれねぇ
そんな事をあの日から毎日考える。
『…ホント師範らしくないですね』
「…うるせぇ」
そんくらい、お前が大切だったんだよ。
『師範、そんな顔しないでください』
すぐ後ろで声が聞こえる
まるでAが背後から俺を抱き締めている、そんな感覚になる。
『ねぇ師範、私、幸せでしたよ』
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あい - 完結本当におめでとうございます!!とってもおもしろかったです!おつかれさまでした! (2022年10月10日 10時) (レス) @page16 id: 59a559ed23 (このIDを非表示/違反報告)
ライチュウLove - 無一郎がとても大好きで、いろんな無一郎の小説を探し回ってる中でも、この小説が1番ダントツで好きです!!無一郎に会いたい気持ちでいっぱいな時や、良い小説が見つからない時に、いつも読んでます!花言葉、面白いですね!素晴らしい作品をありがとうございました! (2022年7月19日 23時) (レス) id: 9cfbcd581d (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス(プロフ) - 完結おめでとうございます!途中から号泣しながら小説を読んでました!少しづつ見てきて、やっと最後まで見ることが出来ました。素晴らしい小説に出会えてよかったです! (2021年4月13日 1時) (レス) id: 9437ea24d0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 茜さん» 茜様、いつも暖かいコメント本当にありがとうございましたm(_ _)m好きだと言って頂けて本当に嬉しいです(*´ω`*)未来編書くの楽しかったです!!私の方こそ長きに渡り本当に本当にありがとうございました!また次回作でお会いできたら嬉しいです(*´ω`*) (2021年4月7日 9時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - あっ!未来編ありがとうございましたっ!!書くの忘れちゃったんですけどどうしても伝えたくて…本当におつかれ様ですっ!! (2021年4月5日 15時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮 | 作成日時:2021年3月27日 23時