佰玖拾捌話 ページ13
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その夜、俺と晴馬さんは人気のない公園に来た。
「晴馬さんよぉ、よくすんなり時透の事認めたな」
俺の予想じゃもう少し渋ると思ってたんだけどな。
「…Aがまだ小さい頃に言ってたんだよ」
─
「Aは大きくなったら何になるんだ?」
『およめさん!』
「パパのか?」
『うぅん、ちがうよ』
「(ガーン)…グス、じゃあお伽話の王子様とか?」
『んーとね、おうじさまじゃないけど、おうじさまみたいなやさしいひと!』
『かみがながくてちょっとクセがあって、めがみずいろみたいなキレイないろなの』
「…随分と特徴的だなぁ」
『それでね、Aにとてもやさしくしてくれるひととけっこんするの!』
─
「アイツ、そんな事…」
Aの前世の記憶が戻ったのはそのもっと後のはずなのに。
「無一郎くんを見た瞬間思ったよ。あぁ、この男の子がAを幸せにしてくれる子なんだなって」
「…あぁ」
アイツ、Aには人一倍どころか人十倍優しいからな。
「前世、って言うのかな。きっとこの子達は遠い昔から一緒にいたんだろうなって、そう思ったんだよ」
晴馬さんの言葉に俺は昔のアイツらを思い出す。
「そうっすね。昔から、それこそ何百年も前からアイツらは派手に変わらないですよ」
きっとこれから先も変わらないだろう
アイツらはお互いがお互いなしじゃダメだからな。
「よし、天元飲みに行くぞ!今日はめでたい日だからな!!」
「いいっすね、派手に行きましょう」
ふと、晴馬さんが足を止めた。
「…今までAの事ありがとうな。あの子に手を差し伸べてくれた天元には本当に感謝している」
その言葉に目を見開いたが晴馬さんは再びスタスタと歩き出した。
「…は?晴馬さん、もしかして…」
「ハッハッハ!早く行くぞ!!」
「いやちょっと待て!!派手に説明しろ!!」
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あい - 完結本当におめでとうございます!!とってもおもしろかったです!おつかれさまでした! (2022年10月10日 10時) (レス) @page16 id: 59a559ed23 (このIDを非表示/違反報告)
ライチュウLove - 無一郎がとても大好きで、いろんな無一郎の小説を探し回ってる中でも、この小説が1番ダントツで好きです!!無一郎に会いたい気持ちでいっぱいな時や、良い小説が見つからない時に、いつも読んでます!花言葉、面白いですね!素晴らしい作品をありがとうございました! (2022年7月19日 23時) (レス) id: 9cfbcd581d (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス(プロフ) - 完結おめでとうございます!途中から号泣しながら小説を読んでました!少しづつ見てきて、やっと最後まで見ることが出来ました。素晴らしい小説に出会えてよかったです! (2021年4月13日 1時) (レス) id: 9437ea24d0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 茜さん» 茜様、いつも暖かいコメント本当にありがとうございましたm(_ _)m好きだと言って頂けて本当に嬉しいです(*´ω`*)未来編書くの楽しかったです!!私の方こそ長きに渡り本当に本当にありがとうございました!また次回作でお会いできたら嬉しいです(*´ω`*) (2021年4月7日 9時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - あっ!未来編ありがとうございましたっ!!書くの忘れちゃったんですけどどうしても伝えたくて…本当におつかれ様ですっ!! (2021年4月5日 15時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮 | 作成日時:2021年3月27日 23時