泣かないで ページ7
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別れよっか______
そこで私は目が覚めた。冷静に判断できない脳とぼやける天井、頬に涙が伝ってそこでやっと夢を見てたことに気がついた。よかった、夢で、…こわ。
しかし皮肉なことに悪夢は妙にリアルなものでさっきの彼の顔が頭から離れない。精神的にキテることに気づき、またボロボロと涙を流した。
隣ですやすやと寝ている彼に抱きつきぎゅーっと抱きしめる。落ち着く…。
すると彼は異変に気づいたのか少し動いて逆に私の動きはピタッと止まる。
「ん……A…?」
なるせは私が起きていると気づいたのか名前を呼ぶ。寝たふりをしようと思ったが、彼の声を聞いてもっと涙か溢れてきて、おもわず嗚咽をもらしてしまう。
「は?A…?なになにどうしたの」
『ん…やだ』
「やだじゃない、は?えっ?」
泣いていると気づいたら一瞬で目覚めたらしく動揺して私の顔をのぞき込んだが私が抵抗するともっと動揺した。
しかしなるせも男なもので力の差には勝てず顔を上げられ目が合う。思ったよりも泣いている私を見てわかりやすく眉を下げて「怖い夢、見た?」と頭を撫でて優しい声で聞いてきた。
『なるせにふられた、』
「うわそういう夢?マジありえないから安心しなよ 」
『でもリアルだったの!』
「あーーごめんごめん泣くなって」
なるせはそういうと自分の袖で私の涙を優しく拭き取った。私が落ち着くまでなるせはずっと私のことを抱きしめたり頭をなでたりして、「大丈夫だよ」と言ってくれた。
「好きだよAずーっと」
『うん』
「てか別れるとしたらAからだと思うんだけどなー」
『ふるわけないじゃん』
「俺もその自信あっから」
ずっとなるせに抱きしめられていると眠くなってきて、ふわふわとした言葉で話す。あんなに悲しかったのになるせと話すだけでこんなに元気になれる。ずっとそばに、いてね。
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作者名:みるる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Nagisa-Aonami/?w=1
作成日時:2021年10月17日 0時