同窓会は大嫌いだ! ページ8
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「ねえむりマジでむりやっぱりだめ」
『なに、今更』
今日は同窓会。私の高3の時のクラスはとても仲がよかった。この同窓会の話を聞いた時一瞬で行くと友達に伝え、なるせに交渉をしかけた。なんとか3時間かけて説得しなるせは納得していないような気もしていたが、許可を出してくれた。__ちょっとその後は不機嫌だったけど。
そして当日。いつもよりも気合を入れて可愛めのメイクをして髪の毛も染めて巻いて、このために買った新しい服を着た。そして冒頭に戻る。
「むりかわいいやっぱ行かせたくない、だって男もいるんでしょ?マジでむり」
『なに嫉妬?かわいいねなるせちゃん』
「そうっすけどなにか!!!!!!!!!!!こんなかわいい彼女無法地帯に行かせる彼氏いる!?いねーだろ!!」
『無法地帯じゃないってみんな友達だってば』
「いーーやちがうね、男はみんな下心しかねえから」
『それはなるせでしょ』
なるせはずっと悶々と私の周りをぐるぐる歩く。私はそれを無視して着々と荷物の準備を進める。全力で身体を使って止めないあたり行かせてあげたい、という思いも少ならずあるようだ。
すると、葛藤していたなるせは突然私に近づいてきて首元に顔を埋めた。嫌な予感をしてなるせからおもわず離れようとするががっしり腰をホールドされてしまった。
『まってなるせ、跡つけないでね』
「えへ、バレた?」
『ねえなるせ、んっ』
「つけちった!」
『サイテー』
割と容赦なく見える首元に跡をつけられなるせの腕から抜け出した。私が怒ったようになるせを睨みつけるとなるせは知らんぷりをしていた。
それからファンデーションで全力であとを隠すと次はなるせが不機嫌な顔になっていた。途中からはもう「やだやだ!」と地団駄を踏んでいた。子供か。
そろそろ家を出ないと間に合わない時間になり、荷物を持って玄関に向かった。
「…もう行かせてあげるから、これだけつけて」
腕を持ち上げられなるせの時計をつけられる。
「マジで外すなよ、あとお酒は飲み過ぎないように、帰りは迎えに行くから連絡して。あとなるべく隣の席に男座らせないで、触られるとかは論外!!」
『わかったわかった、いってくるね』
猛烈な早口で言われ少し圧に押されながらもドアを開けるとなるせは寂しそうに「いってらっしゃい」と言った。
少しだけ、予定よりも早く帰ろうかな。
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「あ、きたきた早かったね」
『あんなに鬼ラインきたらそりゃ早く帰ってくるよ』
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作者名:みるる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Nagisa-Aonami/?w=1
作成日時:2021年10月17日 0時