第五十話 主人公side ページ12
それから数分後。
ようやく泣き止んだ私はじっと一点を見つめていた。
バサバサと翼の音を立てて羽ばたく鳥達。
｢私も、自由に、空を飛べたらいいのに…｣
なんてバカバカしいことを考えて。
私が居るから皆が悲しむ？
私が居なければ皆幸せ？
…いや、私はまだ生きていたい。
貴方の側に居たい。
｢空を飛べたら、どんなに気持ちがいいだろう…｣
耳に入ってくる自分の声は少しだけ枯れていて。
カラカラと小さな音を立てて窓を開ける。
手を伸ばせば届くところに居る小さな鳥。
｢君たちは羨ましいね。空を自由に飛べる羽根を持っている。私には、何も無い。ひとりでは…なにも出来ない…｣
幼少期から大切に、大切に用心深く育てられてきた。
とは言っても、奈菜さんは病弱だし、お父様はお仕事ばかり。
育ててくれたのは使用人たちと言っても過言ではない。
遊び相手は誕生日にどんどん増えていくぬいぐるみ達。
一人遊びが得意な子だった。
家のお金は私が稼いだものではない。
権力も私の力じゃない。
だから、私からあの家をとったら本当に何も残らない。
｢自由になりたい｣
なんて言うけど、そうなったって何も出来ない。
力のない1人の少女。
誰も見向きもしない。
所詮その程度。
｢…帰ろうかな…｣
授業を受ける気分じゃない。
奈菜さん、起きてるかな？
会いたい。
フラつきながら教室へ向かい、先生に早退すると告げ、外へ向かう。
脳裏に焼き付いているのは莉佳の苦しそうな顔。
どうしてあなたがそんな顔するの？
大丈夫、私は大丈夫だから。
心配しないでよ。
車を呼ぶ気力もない。
重い足を懸命に動かして自宅へ向かう。
ドンッ！
｢すみません…｣
誰かにぶつかった。
｢チッ、どこ見てんだよ！｣
…人は
そんなものよ。
そんなことを思いながら前に進み続けた。
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中原アリス(プロフ) - レオ姉イケメンや……今なら二択を迫られたら迷わずレオ姉を選ぶな…… (2017年9月11日 20時) (
レス) id: aac9caa2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろ(プロフ) - レオ姉結婚しy…(萌死 (2017年7月11日 0時) (レス) id: 2473bf1189 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - レオ姉かっこよすぎ！ 更新、頑張ってください！！ (2016年6月12日 0時) (レス) id: 9ec21b3204 (このIDを非表示/違反報告)
栗医務 - レオ姉クッソイケメンやん (2016年4月7日 1時) (レス) id: 7f3a485f4b (このIDを非表示/違反報告)
海霧 - レオ姉めっちゃイケメンやな！更新頑張ってください！！ (2016年3月29日 20時) (レス) id: 7514f47884 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸村美咲 | 作成日時：2015年8月23日 5時
