尾浜くんに妥協されました！

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どうしてこうなったんだろう。

布だらけのしんべヱが慌てふためき、伊作先輩の頭にたんこぶができ、それを食満先輩が心配している。

それに、兵助が彼女を抱きとめているのは、

なぜ？

◇◇

なぜ私は、美男に抱きとめられているんだ？

ぼーっとしていてよく分からなかった。周りを見て整理しよう。

...どうやら、蹴った梯子が落ち、伊作先輩の頭に直撃。食満先輩は着地成功。

伊作先輩の持っていた布入りの桶がしんべヱに向かって投げられ、しんべヱが布をかぶる。

しんべヱの持っていた釘入りの箱が、私と数馬くんめがけて投げられ、長屋側にいた数馬くんは回避成功。私は既のところで気づいて後ろに下がる。

下がってバランス崩す、たまたまいた火薬委員会委員長代理が抱きとめる。←なう

ということか...


『保健委員会やっぱり駄目じゃないですか！！』


見直したといったが、やはり不運というステータスは最悪。くのいち達が嫌がる訳がわかった。


「そう責めてやるな、伊作だってしょうがないんだ。」

「ご、ごめんねぇ〜...」


目を回す善法寺先輩の肩を物理的に担ぎ、「保健室に連れて行く。」と言って、食満先輩は善法寺先輩を逆戻りさせに行った。

数馬くんはしんべヱの布を解くことに一生懸命のようだ。

私は...汚れた布を洗いに行こう...


「...大丈夫ですか？」

『...はい。ありがとうございます。』


お互い驚きもあって、端的にしか会話が続かない。

とりあえず身を起こしてもらい、布を拾い集める。火薬委員会委員長代理も手伝ってくれた。


『...親切にどうも。あの、お名前、久々知兵助さん、ですよね？』

「はい。火薬委員会委員長代理の、5年い組、久々知兵助です。
Aさんですよね、先日はうちの八左ヱ門が失礼しました。」


深々と頭を下げる久々知さん。私は肩を跳ねさせ、頭を上げるように促した。


『そんなそんな...本人でもないのに頭を下げないでください...！あれは課題で、助言付きだと聞きました。それに、謝罪は本人からさんざんされましたから。ねぇ？八左ヱ門。』


チラッと上を向くと、屋根の上に気まずそうな八左ヱ門。

大方、私を見かけた瞬間に上に逃げ、不運が発動したせいで降りるに降りれなくなったのだろう。

もう怒ってないのに...

でも、久々知さんを恨めしそうに見つめるのはなぜ？

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