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「???しぇんぱい?」
布の入った桶を器用に脇に抱え、後輩の頬をつねる私。
こんな良い子に、やっぱり辛そうな顔なんてさせたくない。どうやったら、数馬くんは普通になれるんだろう...
手を離すと、頬を擦る彼。彼のためにも、目立つ大作戦を考えなければ。
◇◇
「?」
『ブツブツ...』
A先輩が考え込んでしまった。僕のために?
...嬉しいけど、それはそれで、話し相手がいなくなって寂しい...
「お、伊作、A、数馬。長屋に何か用か?」
歩いていると、上の方から声がかけられる。どうやら用具委員会が屋根の修理をしていたようだ。
あれ?食満先輩、もしかして今、僕の名前呼んだ!?
「三反田数馬先輩!お饅頭先輩!こんにちは!」
再び名前を呼ばれ、軒下を見ると、釘の入った箱を持ったしんべヱが居た。
まだ考え込んでいるところを見ると、先輩は気づかなかったみたいだ。
ところで...
「し、しんべヱ...!僕の名前呼んでくれた...!」
「...あ!たしかに!今日は気づきました!」
そう言われ、自然と涙が込み上げて来る。生まれてこの方、こんなに嬉しかった日はない。が...
「お饅頭先輩がいたので、流れで三反田数馬先輩が分かったのかもしれません!」
その素直な発言を聞いた途端、僕はずっこけてしまった。布はA先輩が受け止めてくれた。
結局目立ってたのは僕じゃなかったか...
がっかりしていると、A先輩と目が合う。すると先輩は僕の頭にポンポンと手を置き、
『頼っていいからね。私に任せて。』
とおっしゃった。
なんの事かは分からないが、目立つ先輩と一緒にいて目立ってもいいと言う事なら、すごく嬉しかった。
それと、この人と1日過ごしたら、どんなふうになるんだろうか、という興味が湧いた。
「包帯を干しに来たんだ。保健室の前はいっぱいでさ。」
「そうか。用具委員会はこれから大雨が降るってんで、瓦を交換するんだ。...一応言っとくが、気をつけろよ?」
先輩たちは先輩たちで話を進めているなか、そんな話がでた。
「何言ってんのさ。留三郎が置いたんだから、落ちるわけ無いだろ((ゲシッ
あ」
「...言わんこっちゃない...」
先へ進もうとすると、伊作先輩が、食満先輩の登っていた梯子を蹴ってしまった。
そのせいで、梯子は倒れていく。
この時僕は冷や汗を流した。絶対不運だ、と感づいて。
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もち米マン(プロフ) - コメント失礼します!お話し面白くてスラスラ読めます!19,20話が抜けていますがミスでしょうか?確認お願いいたします(..) (9月9日 21時) (レス) id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 待って最推し、、めちゃめちゃ心臓にキて好きです…最高に私得すぎる。。更新楽しみにしてます、! (8月24日 3時) (レス) @page12 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 更新頑張って下さい!!!!!正直に言えば夢主ちゃん以外のオリキャラがいなければええな〜って思いました!まぁ、それを無視して読んでます。アンチではないのでご安心を!!!!!!これからも暇さえあれば読んどきます! (2023年2月12日 0時) (レス) @page34 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
シュモくん(プロフ) - 小桜さんすみません( > < *)՞՞確認不足でした!ありがとうございます。 (2022年11月5日 19時) (レス) @page23 id: b925ba0735 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 19ページの数馬くんの説明(?)のところ、保健が保険になってます。一応、お伝えしときます! (2022年10月16日 23時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュモ | 作成日時:2022年8月10日 15時