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Aっちが言っていたことは正しくて、
5日後にインハイを控えていた。
今年のインハイは大阪中央体育館。
2日前から大阪入りして現地の高校と調整として練習試合を行う。
だから要するにあと3日後には神奈川を出る。
『ああ緊張してきた〜』
黄瀬「Aっちも緊張するんスね」
『人を何だと思ってんのよ笑』
暑い日差しの中俺たちは帰り道を辿っていた。
『あっつ…』
黄瀬「そうっスね」
『今日の午前練は割とラクだったでしょ』
黄瀬「普段に比べたら大分ラクだったっス」
『なんか監督が走り込みやらせたいとか言い出すから全力で拒否した笑』
なんて楽しそうに話すAっちを見ているだけで俺は楽しい。
黄瀬「こんな暑いのに走り込みは頭おかしいっスわ笑」
『しかも走り込みなんかして怪我したらどうすんねんってね笑』
黄瀬「ほんとAっちが監督になった方が良いんじゃないっスか?笑」
『なれっかな笑』
黄瀬「絶対なれるっスよ笑」
汗で少し艶っぽくなった頬が何とも言えず綺麗だった。
汗がきれいな人って中々いないっスよ。
まぁ、それくらいAっちは綺麗ってことなんスけどね。
背中も少しYシャツの色が変わっているがそれも色気。
黒の下着が少し透けていた。
黄瀬「Aっち、汗で下着透けてるっスよ笑」
『え、まじ!電車乗るのに〜』
黄瀬「バスケ部のジャージならあるっスけど、着るっスか?」
『借りていい?』
黄瀬「いいっスよ」
そして俺はエナメルバッグからジャージを出す。
『ありがと!洗って返すね』
黄瀬「いやそんな気にしなくていいっスよ、Aっちの家の前で返して貰えれば」
『ううん、さすがに汗かいてるし笑』
黄瀬「そうっスか?ありがとうっス!」
『こちらこそありがとう!』
Aっちは俺のジャージに腕を通し、満足気な顔をした。
その満足気な顔がまた可愛くて。
『彼ジャーみたい笑』
黄瀬「たしかに笑」
『しかもめっちゃ涼太の匂いする笑』
黄瀬「帰ったらきっと俺の匂いになってるっスよ笑」
『そんなすぐ匂いつく?笑』
黄瀬「意外とすぐつくっスよ笑」
そんなことを言いながら電車に乗って帰る今日は、
Aっちの笑顔がたくさん見れた日だった。
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まみ(プロフ) - この続編が見たいです! (2020年10月25日 21時) (レス) id: 911d660f53 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - 姫坂ひなのさん» わあああありがとうございます!!!今稲荷崎を書いているのでぜひ!! (2020年4月4日 22時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
姫坂ひなの(プロフ) - キャアアアァ素敵な話でした…!新作のハイキュー!!のも楽しみにしてますね! (2020年4月4日 21時) (レス) id: 0879417deb (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!推しは赤司ですが、黄瀬と虹村さんも好きです!!!! (2020年4月4日 17時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごく面白かったです!推しってやっぱ黄瀬君なんですか? (2020年4月4日 16時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.
作成日時:2019年12月27日 12時