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___ピーーー
『休憩です』
そしていつものように部活は終盤に差し掛かる。
右膝に少し違和感があったけど、
帰ってからストレッチすれば大丈夫だと思い放ったらかしにしていた。
『涼太』
黄瀬「はいっス」
『膝、痛いの?』
黄瀬「え?」
Aっちは俺の膝の違和感に気付いていた。
笠松「え?まじか俺気づかなかったわ」
森山「俺も」
『少しジャンプも低くて右足に重心が乗っていたので』
黄瀬「Aっちは敵わないっスわ、笑」
『違和感とかあるなら早く言ってよね大怪我になってからじゃ遅いよ』
黄瀬「すんませんっス」
『じゃベンチ座ってて、監督に言ってくるから』
そう言って監督に言いに行ってくれた。
俺はベンチに腰掛ける。
開いたままのノートを少し覗いてみる。
“そろそろ調整。
激しすぎる練習無し。
個々のいい所を伸ばす。”
“笠松先輩→突出した何かを
森山先輩→全体的なレベルアップ
小堀先輩→いい感じ
早川先輩→もっともっと冷静さ必要
涼太→コピーの精度アップと長時間使えるような体力強化”
など、
選手のことをちゃんと見て書いてあった。
『なーに見てんの』
黄瀬「あっ、Aっち」
Aっちはノートを閉じた。
『ほら少しバスパン捲って』
黄瀬「はいっス」
練習は再開し、俺はベンチからその様子を見ていた。
外から見ると、案外違う景色が見えるんスね。
『腫れてないけど少し熱もってるから冷やすね』
黄瀬「ありがとうっス」
救急バックから、叩くと冷たくなるやつを出して叩いて俺の膝に当ててくれた。
黄瀬「Aっちって、人のことよく見てるんスね」
『なに、ノートそんなに読んだの?』
黄瀬「読んじゃったっス」
『まぁ、海常に勝ってほしいからみんなのこと見て研究しないとだし』
黄瀬「いつもありがとうっス、Aっち」
俺の膝下に目を向けていたAっちが俺の目を真っ直ぐ見る。
『涼太…』
黄瀬「どうしたんスか?そんなに俺のこと見つめちゃって笑」
『たまにはいいこと言うなぁって思ったけど前言撤回だわ』
黄瀬「なんでっスかぁぁ〜」
『まぁでも、そういうこと言ってくれると頑張れるわ。』
嬉しそうに笑ったAっちが脳裏に焼き付いた。
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まみ(プロフ) - この続編が見たいです! (2020年10月25日 21時) (レス) id: 911d660f53 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - 姫坂ひなのさん» わあああありがとうございます!!!今稲荷崎を書いているのでぜひ!! (2020年4月4日 22時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
姫坂ひなの(プロフ) - キャアアアァ素敵な話でした…!新作のハイキュー!!のも楽しみにしてますね! (2020年4月4日 21時) (レス) id: 0879417deb (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!推しは赤司ですが、黄瀬と虹村さんも好きです!!!! (2020年4月4日 17時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごく面白かったです!推しってやっぱ黄瀬君なんですか? (2020年4月4日 16時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.
作成日時:2019年12月27日 12時