二枚目 ページ3
モンド城内、夜中。
場所_.エンジェルズシェア。
「ディルック〜!もう一杯〜、…ひっく、」
「__…はぁ、」
ディルックと呼ばれたバーテンダーの彼は深い溜息の後、美丈夫な顔の眉間に皺を寄せて唸る。
「…君、一体どれだけ飲むんだ。」
「いいじゃないかぁ〜!何てったって今日は……」
バンッ!
かのモンド1の吟遊詩人と豪語する年齢不詳の少年の後ろ。
エンジェルズシェアの扉を勢いよく開ける音と遅れて、
カランカラン、
_と、鳴り響くベルに瞬時にまた面倒そうな客が来たと言う顔で目を向けるディルックは少し間を開けて見開く。他の客達も揃って釘付けになった。
この様な酔っ払いの集団に似つかわしくない美女が頬膨らまして立って居たからだ。
『…ウェンティくん!貴方からあの男に何故言わなかったのですかっ!!』
そう大声で言い放った後、ずかずか一直線にウェンティの方へと向かってくる。其れを難なく言われた本人は継ぎたての林檎酒を彼女に向け、こう言い放つ。
「君も飲むでしょ、A?モンド産の林檎酒。」
『…………、はい。』
______________________________
「_で、ウェンティ。其方とはどう言う関係なんだ?」
ぐびぐび飲み干すウェンティに対して、ちびちび味わい乍らウェンティの真横に陣取るAと言われた美女。
言っては何だが、お似合いとは呼べない二人組を汗ひとつ掻いてワイングラスを丁寧に拭きながらディルックは問い掛ける。
「ん〜?Aと僕との関係?そりゃあ……こほん。彼女は僕の 付き人 と言った方が分かりやすいかな?」
「「………はぁ!??」」
ガタリ、と一斉に酔いも覚めました。と言った顔でウェンティを凝視する酒客と、瞳を見開いてグラスを磨く手を止めたディルック等々……。
『………はぁ、』
当の本人は、林檎酒を見つめたまま何故こうなったのだと眉を顰めた。
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ぱぁ - 自分の好み過ぎて何回も見返してしまいました!!主さんのペースで更新頑張って下さいこれからも応援しています!! (2022年11月2日 1時) (レス) id: d68a7d500c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこみっち | 作成日時:2022年10月12日 21時