【原神】今更になって謝らないで下さい (ページ4)

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三枚目ページ4

ざわざわ、ひそひそ。

動揺と混乱で客達は近くに居る見ず知らずの初めて会った他人ですら議論を巡らせている。

『スメールか。此処は』

「…んー、言わなかった方が良かった感じかな？」

『どうでも良い。所で何故私を此処へと【呼んだ】のですか？』

「ん？嗚呼、君とは随分と長い間からの友人だからね。此れを返そうとね。はい、」

等と口実がどうか半信半疑だが分からない顔を向けて「手、出して？」と言われAは怪しみながらもワイングラスを持って居ない方の手を伸ばす。

ころり。と冷たい感触とガラスの様な手触りでハッとしながら顔を向ける。

「…神の目。」

黙って見ていたディルックがぽつり、と渡された【モノ】を答える。

キラキラと、モンドの飾りをして居る氷元素の神の目だった。

『…。ウェンティくん、何故まだ持っていたのですか。』

「其れを答えるのは野暮じゃないか？コレは君の手中に居たかったと思うよ。神の目は唯の物かと言われると少し違う。神の目だってしっかりと主を認識しているし、ほら。今、君は自分では分からないだろうけど…、」

辺り中、真冬だよ。

カチカチに凍る酒と、ブルブルと震える客。
ディルックは己の炎元素で近場の時期的に使っていない暖炉に火をつければ一斉にと暖炉へ飛び交う客達。…無論、酒も忘れずに。

「もう少し、加減覚えないと。ドラゴンスパインにずっと居るから感覚麻痺してると思うけどさぁ、…あっ。もう無い。ディルック〜！ホットの林檎酒お願〜い！！」

『＿＿＿……加減、ですか。』

「…はぁ、知り合いなのは理解したが……。この寒さをどうにかしてくれるかい？」

天井に氷柱が出来そうな程の酒場の気温にディルックは辺りを見渡してどうにかして欲しいとAへ頼み込む。

『……。ウェンティくん、少しは場所を選んで貰いたかったです。』

「…えへっ？」

ぱちん、と指を鳴らせば現実離れした様に酒場の空気も元の暖かさに戻って氷柱等も削れる様に消えて行った。

そして、彼女はこう呟く。

「えへって何ですか。」