あなたを守りたいの【芥川龍之介】 (ページ39)

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貴方side

コツ…コツ…

聞き慣れた音が後ろで止まった。

貴「芥川？」

芥「A、耳を塞いでいろ」

と、私が耳を手で塞いだ上から芥川は手を乗せた。

何を言っているのか全く聞こえないけど、姉さんの顔が驚いていた。

中島くんが横に来たのも見えた。

何を話しているの？

なんで聞いちゃいけないの？

長い沈黙が急になくなった。

貴「芥川、何を話していたの？」

私の問いに、中島くんも姉さんも複雑な顔をしていた。

その瞬間、地面が揺れた。

中「何が起きているんだ！？」

游「っ！あいつがいない！？」

いつの間にか、私達の前にいたあいつがいなくなっていた。

貴「どこいっt…」

ドス…という鈍い音と衝撃がきた。

自分のお腹からは、つららが出ていた。

游「A！！！」

やっと状況が把握できた。

私は刺されたんだ。

重力に従い、私の体は地面に倒れこんだ。

芥川が私の名前を叫んでいた。

誰かに抱き上げられた。

游「中島くん、任せたよ」

芥「人虎、後で覚えていろ」

中「なんでだよ！？」

うっすらと見えた芥川と姉さんの背中を最後に、私は目を閉じた。