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少女の夢( 2 ) ページ31

ゆらゆら。


真っ白で暖かな空間をただただ彷徨う。



ここはここで、心地良い。
許されるなら、ずっと漂っていたい。この空間を。



光がきらきらと溢れていて、まるでおひさまみたいな。


けれど、それは私が浴びられる光では無かったはず。



最後におひさまの光を見たのは、いつだったっけ。………もう、思い出せない。



気が付けば明るかったおひさまの光が消えて、仄暗い闇夜に私はいた。


さっきまで漂っていたおひさまの場所に比べたら、ここは、暗くて少し寒い。


おひさまの所へ、帰りたい。


おひさまの光を求める様に私は手を伸ばそうとするも、誰かにその手を取られてしまった。





「みて!星、きれいだね!」



ふと、横から聞こえた可愛らしい声。



誰かに握られた手は少し小さく感られる。…子供、かな?


声からするに女の子なのだけど、如何せん顔がはっきりと見えない。



…ともかく、言われるがままに空を見てみれば其処は真っ暗な夜空ではなく、小さな輝きに溢れた満点の星空だった。



「わあ…すごい、綺麗だね。」




「うん!すっごくきれい!」



私の隣にいる女の子はきっと、声色からするに笑顔を浮かべているのだろう。


その顔が見れないのが残念だけれど、私も頬を緩ませながら一緒に星空を眺める。


女の子がぽつりと呟いた。


「ねえ、Aちゃんはおひさまと、おほしさま、どっちがすき?」



「えっ?…う〜ん、あったかさだったらおひさまだけど、綺麗さだったらおほしさまかなあ。」



どうしてこの子が私の名前を知っているのかはわからない、でも私は迷う事なく女の子の質問に言葉を返していた。


なんでだろう、私はこの子を知っている、ような。



「…じゃあ、寒いのはあっためてあげる。だから、いっしょにずーっと、おほしさまのところにいよう?」



「ほんとう?ふふ、あなたが温めてくれるなら、きっと寒くないね。…いいよ、いっしょにいよう。ずっと、おほしさまのところに。」



ぎゅ、と感じたあたたかな感触。何だかこの子を手放してはいけないような気がして強く抱き締め返す。



気付けば、この星空の元にいる事を決意した。


すると、また女の子は嬉しそうに話すんだ。



「ありがとう、Aちゃん!…ずっと、二人でいようね。やくそく!」


私は微笑んで女の子の言葉に頷いてみせる。


すると、這い寄る睡魔に私の意識は掠め取られて、女の子が遠のいて行く。


「…おやすみ、Aちゃん。」

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エンドロール - すごくこの作品好きです!描写も細かいし何より読みやすくて面白い!これからも頑張ってください、応援してます。 (2020年1月18日 13時) (レス) id: feeead544b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドロップ | 作成日時:2020年1月15日 9時

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