【あんスタ】夜行少女【逆先夏目】 (ページ21)

今日:12 hit、昨日:23 hit、合計:51,893 hit

2章　呪われた身体( 2 ) ページ21

「…にしてモ、相変わらず野良猫ちゃんの反応は面白いネ…♪」

「だ、だって普通さ、驚くよ。突然とんとんってされたらさ………」

昨日と同じ様に隣へ腰掛けては驚いた私の反応がそんなに面白かったのか、くすくすと楽しそうに笑みを零す彼を私は恨めしげにじっ、と見詰めてやる。

だってあれは、驚かない方がおかしい。

逆の立場だったら絶対に夏目くんだって驚きそうなのに。…いや、驚かないかもしれない。

「わ、私は別に変な反応なんかしてないもん。…なんて、言えた口じゃないんだけど。…ごめん、夏目くん。こんな時間に態々来てもらったりして。」

「もん、なんて語尾まで付けちゃって…かわいい♪…気にしないで、まさかAちゃんに呼ばれるとは思っていなかったから吃驚しちゃったけど。」

「か、可愛いとか言わないで！！私可愛くもないから！！！……あ、お世辞だよね、大っきい声出しちゃってごめん……」

可愛いと言われては即座に否定するも、直ぐにお世辞だと気付けば声を小さくして謝った。

また勘違いをしてしまった、恥ずかしい。

それに此処は書店の中。時間も時間なので店内の音は流れる音楽が殆どを占めている。声の大きさと自分への恥ずかしさから反省して小さくなっていると横から手が伸びて来た。

夏目くんの手が、私の頭をぽんぽんと撫でていたのだ。

彼の行動に驚いて、私はまた固まってしまう。そしてまた、瞬きも。

この人は何処まで私を驚かせる気なのだろうか。

「今のはお世話じゃなくテ、本心で言ったつもりだったんだけド…全ク、野良猫ちゃんはもっと人の言葉に対して素直になった方がいいと思うヨ？」

「……へ、…あ、でも言われてみれば、確かに………変な抑揚付いてなかった。」

私の頭を撫でながらそう語る彼の話し方はやっぱり変な発音だけれど、さっきのは確かにその変な発音が無かった気がする。

……そっちの方がよっぽど恥ずかしい気も。

「おヤ、更に赤くなっちゃったネ………野良猫ちゃんハ、意外と照れ屋さんなのかナ？」

「……ほ、ほんと…やめて…なんか、すごい恥ずかしいから…………」

顔に熱が集まる感覚から彼を見て話せなくなった私は俯いて小さく呟く。

夏目くんの職業柄、そうやって言うのは慣れているのかも知れないが、言われ慣れていない私からしたらよっぽど恥ずかしくなるものだ。