《28》他人。by青峰 ページ29
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青峰「…あんな奴に用なんてあるかよ」
独り言を呟いて俺は体育館に入った。
試合を見ながらも頭に焼き付いたのは先程のAの怯える顔だった。
あいつは俺の知っているAじゃない。
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青峰「おはようA、もう来てんのか」
『あ、青峰くん。おはようございます』
青峰「相変わらずお前はあさはえーな」
中学の頃、朝練は必ず1番に来ていたあいつ。
『青峰くんも意外と朝早いの平気なんですね』
青峰「うっせ!余計なお世話だ」
『ふふ、今日も頑張ってくださいね』
青峰「お前もだっつーの、アホ」
大人しいアイツだったが、俺の中ではアイツは俺に心を開いてくれていると思っていた。
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青峰「おっ、お前の弁当美味そうだな」
『あっ、それ最後に食べようと思ってたんですよ!』
青峰「ははっ!好きなもんは先に食えっつてんだろーがいつも」
瞼の裏にいるのは頬を膨らませて俺を睨んでいる可愛らしいアイツの姿だった。
もっと知りたい。
もっと、心を開いてほしい。
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いつしかこんなことを考えるようになっていた。
だが、アイツは突然俺やバスケ部を避けるようになった。
体育でも、バスケをする時はいつもアイツは見学するようになった。
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そしてアイツは何も言わずに行方を眩ませた。
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さっき会ったのは知っている人ではない。
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桃井「…ぁ、青峰くん、Aが…」
隣に座ったさつきが反対側の観客席に座った女を見て言った。
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青峰「あー、誰だあいつ。知らね」
桃井「!?」
…アイツはもう、
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……____他人だろ。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます もう更新されないのでしょうか? (2019年7月1日 8時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もとかわ | 作成日時:2019年1月14日 19時