【黒バス】図書室の幽霊くん (ページ7)

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「という訳なのよ」

夜、カメラの手入れをしながら弟の和成に新聞部のネタが決まっていなかったこと、そして今日のネタが決まるまでの出来事について話していた。

「やっべーｗ幽霊とか超面白そうｗ」

「でしょう！？新聞部部長の血が騒ぐってもんよ」

姉弟であるが故なのか感性だとか、笑いのツボだとか、そういうのが似ている私達はとても仲が良く、毎日のようにお互いの学校生活の話をシェアしている。最近の和成から聞いた話でめちゃくちゃ笑ったのは「なのだよ」が口癖の緑くんだっけ？の話。なんでかはよく知らないけれど和成が自転車で引くリアカー(和成曰くチャリアカー)に乗っていつも登校しているらしい。
さらにそれだけには留まらず、ラッキーアイテムが鬼畜な占いでお馴染みのおは朝の信者である彼は常にそのラッキーアイテムを持ち歩いているという強者らしい。

なんかもう彼の全てがツボで、今では私も「なのだよ」をよく使うようになる程緑くんの大ファンである。一度お会いしたいものだ。

「それにしても、副ちゃんってあの人っしょ？姉ちゃんが何回か家連れてきてる柳井志帆さん」

「そーそー」

冷蔵庫に閉まっておいたポッキーを取り出して小袋を開け、一本口に含みながら相槌をする。苺味だ、美味しい。

「なんか意外だなー、苦手なものなんてないですってイメージだったんだけど」

「ああ見えて結構乙女だよ。ホラーだけじゃなくて虫とかも嫌い」

一年生の時に教室にてんとう虫が入ってきただけで涙目になって叫んでたからね。ほんとあの時は驚いた。つい爆笑しちゃって副ちゃんに殴られたわ。

「マジ！？虫なんか無表情で殺してそうって勝手に思ってたわ」

「最初はそう思うよねぇ」

袋に残った最後の一本のポッキーを取ろうとすると横からそれを取り上げられ、顔を上げると「まぁ部活頑張れよ」とポッキーを片手ににやりと得意気に笑う和成の顔。

「和成もね、噂の緑くんと頑張りな」

「緑くんじゃなくて緑"間"なｗ」

そういやそんな名前だった。まぁ愛称として緑くん呼びで確定させて頂こう。

和成が持つピンク色のポッキーを取り返してやろうかとも考えたが、私は寛大な姉なので特に怒ることも無く箱に残っていた２つ目の袋を開けて食べ始めた。

そんな私の様子を見て、和成は一瞬ガッカリした顔をして手に持っていたポッキーを口に含んでいた。
どうやら構って欲しかったということらしい。