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それから一緒に過ごしていく内にいくつか気づいたことがある。
まず彼女は意外と好奇心旺盛だということ。






『坊っちゃま、抜け道を見つけたんです。ちょっと出てみません?』






まだ出会って間もない頃、イタズラな顔をしてそう言い出したのも彼女だった。






もちろん出ようとしたところで即座にバレて二人で怒られたが、正直な話すごくワクワクして楽しかったことを覚えている。






いつでも、新しい世界をみせてくれるのは彼女だった。






そして、もう1つ……Aさんは努力家だが、勉強に関してはとてつもなく要領が悪いということ。






これが判明したのは小学生のころだったと思う。
同じ学校に通うようになり、当然同じテストを受けるようになる。






返却された答案用紙をみて毎回顔を青ざめるAさんを見ては、つい笑ってしまうことも多かった。






だが、笑っていられたのは小学生まで。
中学生になってくると成績が大切になってくる。






何とか朱桜の力でお世話係として通うことができていたが、このままでは留年か退学してしまうかもしれない。
そう思った私は、夕食後勉強会を開くことを決めた。






最初は私に教えられることに嫌そうな顔をしていたAさんだったが、勉強会をしていく内に成績が上がって行くことが分かったからか、抵抗はしなくなった。






私としても、喧嘩はしつつも二人でゆっくり話せる時間はこのときだけだったので、大切にしていた。






そして、ずっとこのまま、二人で居れたらいいのに。
そう思うようになっていった……中学2年生のとき。
事件は起こった。






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作者名:もちうさぎ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月16日 3時

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