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思い出の場所 ページ8

___仮令そうだとしたら、私は君を許さなきゃいけない。



『許さなきゃいけない、か……。』



心当たりは全くない。太宰君は、私に何かしたのだろ……あ、色々してるか。心当たりあったわ。



太宰君は隣のクラス。さっき見たけどいなかった。さぼりかな。



『先生、ちょっと体調悪いので保健室行ってきます。』
「おー、気をつけろよ。」



よくこうしてさぼる私に、先生もあっさりと許してくれる。公認ってわけだ。



保健室とは反対方向に歩き始める。太宰君の居場所に、ひとつあてがあったからだ。



『……やっぱり。』



旧校舎の屋上。そこに太宰君はいた。



『思い出の場所。』



ただし……



殴る音。蹴る音。嗤う声。



まさかと思って近づくと、数人の生徒が何かを取り囲んでいた。中心には、倒れこんだ太宰君。



太「……これは、痛いねえ……」



口元を歪めてるけど、かなりの怪我をしているのは一目瞭然だった。



『思い出の場所……。』



いじめられてる王子様と、最上位の私が初めて言葉を交わした場所。



思い出の場所。



私専用の場所。そこで、いじめ。



『……優しくない。』



ごめんなさい、太宰君。



私は王子様いじめを止めることなく、その場から走り去っていった。

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作者名: | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2018年8月9日 2時

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