【うたプリ×ブラコン】キミと奏でる愛という名のシンフォニーを【part３】

第１６コンフリクト、幸せ ページ16

貴方「わぁ！！水族館なんて何年振りかな・・・」


　藍「Aは前にも来たことがあるの？」


貴方「はい・・・」



久しぶりに来た水族館はよく兄と来た場所だった



『あのころと変わってないなぁ・・・』



そんなことを思い出していると、懐かしいような楽しいような寂しいような・・・

いろいろ混じった複雑気持ちになった


それからしばらく歩いていると、きれいな水槽が見えてきた


チューブ状の水槽の下を通れる海底トンネルらしい

私達は一緒に下から水槽を見上げてた


貴方「きれい・・・ですね」


その光景に目を奪われてそう呟くと、藍先輩も目を輝やかせて言った


　藍「すごい・・・本当に海の底にいるみたい」


藍先輩はまるで子供のように水槽に額を当てて魚たちを見ている


貴方「あ、見てください！イルカのお腹が見えます！」


私も興奮して水槽に指をさした


　藍「わぁ！すごいや・・・」


私と先輩はしばらくその場に立ち尽くし、イルカを眺めた


すると、先輩はふと口を開いた


　藍「人魚の王子もこんなところに住んでいたのかな？」


先輩が水槽を眺めながらそう呟く


貴方「そうかもしれませんね」


私がそう答えると、先輩が優しいまなざしで言う


　藍「こんな美しくて平和な場所から、それでも出て行きたいほど、彼は彼女のことを思っていたんだね」


人魚の王子は人間になることで二度と海に戻ることができないかもしれない

でも、人魚の王子はきっと・・・


貴方「でも幸せだったはずです」


　藍「え？」


先輩は一瞬ポカンとする


けれど、私の話に耳を傾けてくれた


貴方「人魚の王子さまも、そんなにも誰かを好きになることができて幸せだったと思います」


私がそう言うと、先輩は少し首を傾げて言った


　藍「好きで居続けることで辛い思いをするのは彼なのに？」


貴方「それでも好きって気持ちを持てたことは王子さまにとって幸せだったはずです」


　藍「幸せか・・・」


先輩は納得したかのように数回頷くと、再び辺りを見渡し始めた


微笑みながら水槽を眺める先輩はとてもきれいだった

第１７コンフリクト、あっという間に→←第１５コンフリクト、その手に導かれるように

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す