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14.Ki ページ45

Ki side




F「やはり…叔父上、あなただったんですね?」


突然の展開に、俺の頭は再び混乱する。

息つく暇もなく、見知らぬ男達に取り囲まれていた。


F「ずっと調べていました。昨年の春の宴で、帝の杯に毒物を混入出来るとしたら誰なのか…あの秋の夜、帝の寝所に侵入出来る人物は、一体誰なのか…」

藤ヶ谷が暗に示す事実に、背筋が凍った。


F「最初の標的は、先代帝だった。東宮を狙ったなんて嘘だ。裕太を即位させるために、帝は…」

T「お前が…我が父を…」


立ち上がった陛下の声には、初めて聞く憎悪の感情が混ざっていた。


F「でも、証拠がなかった。だから、敢えて近付き…今夜の情報も横流しした」

Ki「え…」

F「今夜、裕太が行動を起こす…一連の謀反人なら、決してこの機会を逃すはずがない」


藤ヶ谷…全部、知ってて……


F「そして、今夜ここに現れたーー」


藤ヶ谷が、男達から守るように俺たちの前に立ちはだかる。

その背中から、目が離せなかった。


F「我が父を暗殺し、今度は…」


藤ヶ谷が、腰に差した刀を抜いた。

義理の叔父と刃を交えるつもりだ、と瞬時に悟る。


「太輔、私はお前の為に…」

F「黙れ! オレがいつ帝位など望んだ⁈ お前は、帝の叔父という地位が欲しいだけだろう‼」

それが、合図となった。



「殺れ! 陛下を必ず仕留めろ‼」


途端に湧き上がる怒号や叫び声に、その場は一気に混乱に包まれた。


俺たち2人に襲い掛かる幾つもの荒々しい刃を交わして、藤ヶ谷が声を上げる。


F「2人共、火の手が回っていない庭の方角に逃げろ!」


その瞬間、だ。



Y「太輔‼ 宏光様…‼」

M「タマさん…‼」


横尾さんと宮田が、2人して室内に飛び込んで来た。


F「渉! 皆を安全な場所に…‼」


T「嫌だ! 太輔も一緒に…」

M「タマさん、早くしないと間もなくここも火の手が…」


横尾さんが俺に駆け寄り、腕を取られた時だ。


バタバタバタ……‼


室内に雪崩れ込んで来る沢山の足音に、俺は希望の光を感じた。

でも、それはすぐに絶望の瞬間に変わった。


「藤ヶ谷○○、並びに藤ヶ谷太輔! 謀叛の罪により身柄を拘束する‼」


兵部省の官人たちが、問答無用で藤ヶ谷たちを捕えていく。


T「よせ! 太輔は違う‼」


陛下の泣き叫ぶ声が、室内に鳴り響いた。

T「オレの兄貴なんだ! 太輔は、謀叛なんかとは関係ない! だから、連れて行くな‼」


そんな…藤ヶ谷が、何で……


Ki「藤ヶ谷ーーー‼」

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設定タグ:藤北 , Kis-My-Ft2 , 歴史   
作品ジャンル:恋愛
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Mayu(プロフ) - sakyoさん» sakyoさん、2度目のコメントありがとうございます☆すごい絶妙なタイミングだったんですね。実は、私も結構そのテの映像をまえあし3人の姿に脳内変換してます。笑 丁度、たった今まで本作のオマケを『Talk Room』で書いていたので、宜しければそちらもお楽しみ下さい。 (2019年11月3日 22時) (レス) id: 202fbd6d68 (このIDを非表示/違反報告)
sakyo(プロフ) - 完結おめでとうございました!お話がスタートした時にちょうど観た平安貴族そのままの世界を楽しませていただきました。そしてお話が完結するタイミングで今度は宮中儀礼の展示を観てきたところで、展示の儀式を藤北玉に置き換えながらニヤニヤしてしまいました。 (2019年11月3日 22時) (レス) id: e6f004b7a6 (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - ももはさん» ももはさん、ありがとうございました!みっくんにしか靡かない光源氏的なF氏…ラストは、既存シリーズに通じる安定の嫉妬深さでした。先の読めない展開…お楽しみ頂けていたら、嬉しいです☆最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。次作もご期待下さい☆ (2019年10月28日 23時) (レス) id: 202fbd6d68 (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - himacoさん» himacoさん、ありがとうございます☆やっと終わりましたー!私の作品の世界観を気に入って頂けて、すごく嬉しいです。オマケは、実はTさん目線のサイドストーリーの予定ですが、藤北ラブも前向きに検討させて頂きますね☆最後までお付き合い頂き、ありがとうございます (2019年10月28日 23時) (レス) id: 202fbd6d68 (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - Mayu様、完結おめでとうございます!Fさんの光源氏とても素敵でした。みっくんとだけ、関係を結んでくれるのが理想ですが(><)笑 本当に本当に知らない言葉もあり、とても勉強になりました。さすがMayu様です!先の読めぬ展開に翻弄されていたファンの一人でしたっ☆* (2019年10月28日 21時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mayu | 作成日時:2019年8月11日 16時

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