2.青髪の彼 ページ2
「転入生ー、おいでー」
担任の先生呼ぶ声が聞こえて、ふっと意識が浮上した。
危ない危ない、寝るところだったっス。っていうか、おいでって。俺犬じゃないんスから。
ガラリ
扉を開けると、面白い位にさぁっと女子の目の色が変わる。
『何あの子、超イケメン!』
『やば!格好いいじゃん』
ザワザワとする生徒達を尻目に俺は教室に足を踏み入れ、扉を後ろ手に閉めた。
「じゃ、自己紹介。宜しく」
何とも雑な担任のフリに内心苦笑いして、口を開く。
「はい。えっと、竜堂九海(りゅうどうくかい)学園から転校してきた、黄瀬 涼太っス。宜しくっス!」
取り敢えず愛想笑いを向けておけば、大丈夫…。俺がニッと笑うと、またも女子がざわめく。
きっとどうせ、それもまた初めのうちだけなんだろうなぁ…。
「じゃあー…黄瀬君の席はあそこ。後ろの窓際、青峰の隣ね。おい、青峰。起きんかい」
青峰と呼ばれた生徒----多分あの青髪の色黒少年----は緩慢な動きで顔を上げる。
「あー…?…んだよ、寝てんのに…」
ふああ、と大きく欠伸をした彼は、先生の横に立つ俺に一瞥をくれる。
「転入生?…ふーん」
が、興味無さそうに呟いただけで、また顔を伏せてしまった。
「おい、寝るな。…仕方ない、放っておくか。じゃ、黄瀬君、あれの隣ね」
「あ、ハイ」
先生が生徒をあれとか言って良いんスかね…。
席と席の間を縫うように進んでいくと、俺がすぐ横を通った女子がキャーキャー騒ぐ。こういうのは嫌いじゃないけど、…ほんと、いつまで続くやらって感じっスね…。
椅子を引いて席につく。ふと視線を感じて横を向くと、さっきの青峰君と目が合った。
「お前、名前なんてーの?」
伏せたままでこっちを見る彼。ちょっと目つき悪くて怖いっス…。
「さっき言ったじゃないっスか。黄瀬 涼太っス」
「ふぅん?」
分かったんだか分からないんだか曖昧な返事をして、彼はまた顔を伏せ、寝息を立て始める。
聞いてきたのはそっちの癖に…。
俺は何だか無性に笑えてきて、クスリと笑みを零した。
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エリジャ(プロフ) - こんにちは。この度はイベント参加ありがとうございます!読ませていただきました。私が思ったのは、行間が少ないのではないかということですかね。内容的には面白いので、あとは読みやすさを工夫すれば完璧だと思います。頑張ってくださいね。 (2017年5月29日 16時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧崎玲衣 | 作成日時:2017年4月16日 19時