検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:942 hit

2.青髪の彼 ページ2

「転入生ー、おいでー」
担任の先生呼ぶ声が聞こえて、ふっと意識が浮上した。
危ない危ない、寝るところだったっス。っていうか、おいでって。俺犬じゃないんスから。
ガラリ
扉を開けると、面白い位にさぁっと女子の目の色が変わる。
『何あの子、超イケメン!』
『やば!格好いいじゃん』
ザワザワとする生徒達を尻目に俺は教室に足を踏み入れ、扉を後ろ手に閉めた。
「じゃ、自己紹介。宜しく」
何とも雑な担任のフリに内心苦笑いして、口を開く。
「はい。えっと、竜堂九海(りゅうどうくかい)学園から転校してきた、黄瀬 涼太っス。宜しくっス!」
取り敢えず愛想笑いを向けておけば、大丈夫…。俺がニッと笑うと、またも女子がざわめく。
きっとどうせ、それもまた初めのうちだけなんだろうなぁ…。
「じゃあー…黄瀬君の席はあそこ。後ろの窓際、青峰の隣ね。おい、青峰。起きんかい」
青峰と呼ばれた生徒----多分あの青髪の色黒少年----は緩慢な動きで顔を上げる。
「あー…?…んだよ、寝てんのに…」
ふああ、と大きく欠伸をした彼は、先生の横に立つ俺に一瞥をくれる。
「転入生?…ふーん」
が、興味無さそうに呟いただけで、また顔を伏せてしまった。
「おい、寝るな。…仕方ない、放っておくか。じゃ、黄瀬君、あれの隣ね」
「あ、ハイ」
先生が生徒をあれとか言って良いんスかね…。
席と席の間を縫うように進んでいくと、俺がすぐ横を通った女子がキャーキャー騒ぐ。こういうのは嫌いじゃないけど、…ほんと、いつまで続くやらって感じっスね…。
椅子を引いて席につく。ふと視線を感じて横を向くと、さっきの青峰君と目が合った。
「お前、名前なんてーの?」
伏せたままでこっちを見る彼。ちょっと目つき悪くて怖いっス…。
「さっき言ったじゃないっスか。黄瀬 涼太っス」
「ふぅん?」
分かったんだか分からないんだか曖昧な返事をして、彼はまた顔を伏せ、寝息を立て始める。
聞いてきたのはそっちの癖に…。
俺は何だか無性に笑えてきて、クスリと笑みを零した。

3.お喋り→←1.朝



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:黒バス , 黄瀬涼太 , 青峰大輝   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

エリジャ(プロフ) - こんにちは。この度はイベント参加ありがとうございます!読ませていただきました。私が思ったのは、行間が少ないのではないかということですかね。内容的には面白いので、あとは読みやすさを工夫すれば完璧だと思います。頑張ってくださいね。 (2017年5月29日 16時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:霧崎玲衣 | 作成日時:2017年4月16日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。