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20.ニート、襲われる。 ページ22

【燐side】


人気の無い路地裏。
所々に飛び散っている、赤いシミ。






『…うわぁ…こりゃメチャクチャだぁ…』






報告書作成を終わらせたところ、谷崎君から連絡が入ったと伝えられた。




例の依頼の怪事件がまた発生したらしく、すぐ来て欲しいと言われたのだ。




というわけで、
私と敦君、鏡花ちゃんに谷崎君という面子で現場に来たのだった。






「…鉄の匂いがする。
…?この壁…ここだけ、赤じゃなくて、真っ黒…」






と鏡花ちゃんが言いながら首を傾げた。
それを聞いて他の3人はざわめいた。






「真っ黒?」






慌てて鏡花ちゃんの元へ行くと、確かに真っ赤な壁の中に1つだけポツンと、真っ黒に染まった壁があった。






「如何言う事なんでしょう…」





「うーん…犯人が偽装工作でもしたのかな?」





「だとしたらここだけ黒く染める筈無い。やるなら全部やる…と思う」





「だ、だよね…」






他の面子がうんうんと頭を抱えて唸っている中、私は壁をじっと見つめる。




…この匂い…もしかして…






「燐さんは何か分かりましたか?」





『んはいっ!?』






突然の谷崎君の声に驚いて変な声が出た。
…もうホント、この癖直したい…






『あ、えーっと…わ、分からないな…むっちゃ怪しいとは思うんだけど…』





「ですね…一度戻って乱歩さんに相談してみますか」





「そうですね…」






谷崎君の言葉に頷き、皆の元に引き返そうとしたその時だった。








.









.









[…イカナイ…デ…]





『っ!?』






突然背後から裾を掴まれた。
ぬるりとした、人間のモノでは無い手の感触。




思わずぞくりとした。
拘束を解こうとしたが、間に合わない。




ズルズルと、そのまま引き摺られそうになって、







皆が此方に来るのが見えた、が…







不味い…








「!燐さん!!」








不味い、このままじゃ______

21.黒いモノの正体.→←19.ニート、反省する。


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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年12月19日 21時

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