いちごオレにビターをかけて…【松野おそ松】

いちごオレ42 ページ45

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一大事。一大事である。


本日週末の金曜日現在時刻16:30。丁度部活が始まる時刻だ。


ぶっーとポケットの中から、揺れたバイプ音。

部活動のため物を準備していた手をやめて、音源のスマホを

何となく見たら、…見たら…


おそ松くんからデートのお誘いがきていた。

そう、だからちゃんとした服で着てこいという意味で簡潔に綴られていた。


三話目は、女の子がデートに誘って手を繋ぐという大きな一歩を踏む流れ。


役作りの一貫として、明日はデートをする…らしいのだ。


でっデートか…、憧れていた休日デートが目の前にあるなんて嬉しすぎる祝福。

明日はしっかりとオシャレしないと…！！


今からでもワクワクと心が踊る。

鼻唄を歌いながら、準備し終えると先輩から変な目で見られたのは無視だ。

仕方がないこの上ない祝福なのだから。


部活動中は、明日のコーディネートを脳内で練って練って練りまくった。


役作り初日のときも思えばこんなに人間らしく生き生きとしていた。

夢のおそ松くんと一緒にデートだなんて

世の中の女子たちが何回、何千回妄想したのだろうか。


今は少し打ち解けているから、前みたいに話は途切れないはず…！！


とぎゅっと拳を握ると、何故か無償にやる気が湧いてきた。


「あっ、いや、待てよ。この前気まずい雰囲気で終わっちゃったからな…。


意外にも、会話続かないかも…。」


そのやる気は本当に無償だった。無条件過ぎた。


気まずい雰囲気が流れているなんて、デートが台無し…。

それは、嫌だ。絶対に、役作りの使命が果たせない。


自分でもビックリするくらい、ポジティブな思考回路。


よくよく考えてみたら、おそ松くん今人気沸騰中の若手俳優なのだ。

さらりと私とならんでデートだなんて、


スキャンダル報道確定。


それはまずい。気まずい雰囲気よりも不味い。


おそ松くんはそれを理解の上で物語っているのだろうか。


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