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いちごオレ24 ページ25

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ホントに、飲んでいいのだろうか。

後はもう、飲むだけだと言うのに、疑心暗鬼になる。

じわじわと容器からゆっくりと丁度良い暖かさが伝わってくるも

信じられないくらい、手の平はひんやりとしていた。


おそ松くんの顔を見上げても、なんの変鉄もない。


それは、演技なのかはたまた、素顔なのかは分からないけど。


「早く飲めよ。時間勿体ないってば。」


右手の手首に人差し指をかけて、腕時計があるのかのように

トントンと手首を数回叩いた。


ぐぅ……頂きます。


震える唇をゆっくり開けると、目の前がうっすらと霞む。

ぼーっと自分の視線は熱帯びていて、

今、顔を触ったらきっと感触は感じられないと思う。

それくらい、頬が照って、ドキドキしているから。


容器の縁に唇を押し付けて、…


一気に…



ゴクンっ



「んんんん…!!んん…。はぁ…はぁ…。」



思わず口を塞いで、呻いてしまう。

数秒の間、呼吸さえも忘れていたため呻いた後、過呼吸になってしまった。


味の感想は、正直味を親しむ余裕などかましていない。

全くもって、とはいかないが

味は感じとれなかった。


「おまっ…。緊張しすぎだっての…。」


そんなおそ松くんの声に返答しようと試みるが、呼吸が追い付かない。

一回、深呼吸をしよう。


「で。どうだった。?」


「…あっ…えっと。その。」


どんな気持ちで、私は間接キスを…

深呼吸をする暇も無く、私は頭を捻った。


そんなの、覚えていない。


どんな気持ちで、間接キスをしたなんて、覚えていない!!


ただ、覚えている事と言ったら…


死にそうなくらい、鼓動がはやかった…と言うこと。





本当に死ぬんじゃないかって…くらい。



「死にそうなほど、鼓動がうるさかった…です。」


素直にそう伝えると。


「…。あぁ…そっか。」


どうやら期待されていた、答えにはならなかったようだ。

おそ松くんは、目を細めて

興味が無さそうに頷く。


「死にそうなほど…ねぇ…」


「そっか。そっか。」と、独り言のようにぼそりぼそりと言って

頭をかいた。

ごめんなさい…。

思えば、私の国語の成績は悪くもない。

自分の思いを文章にするという問題も、不得意ではないはずなのに

こんな、ボロボロの文章になってしまった、


役にたてなかった。


精神的ダメージが大きい、立ち直れなさそうだ。

ココアの後味が、口内にゆっくり溶け込んでいく。

後味は、ビターで大人の味だった。


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設定タグ:おそ松さん , 松野おそ松 , 学生松   
作品ジャンル:恋愛
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MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時

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